米旅行調査会社「フォーカスライト」は、このほど旅行のロイヤルティプログラムに関する調査結果を公表した。それによると、ロイヤルティプログラムを頻繁に利用することは、必ずしもそのブランドを継続的に利用することにつながらないという結果となった。
調査結果によると、レジャー旅行者の84%が過去12ヶ月間に少なくとも1つのロイヤルティプログラムを「戦略的に利用した」と回答。ポイント、マイル、ステータスを最適化する傾向がうかがえる結果だった。
その背景には、特定の旅行や宿泊施設を予約してエリートステータスを維持すること、クレジットカード、ギフトカード、第三者による購入を活用して特典を最大化することなど多岐にわたる狙いがあった。
航空会社のロイヤルティ会員の5人に1人は、ステータス維持のために、本来なら行かなかったであろう旅行に飛行機で出かけ、ホテルのロイヤルティ会員の4人に1人は、ステータスのことを考えなければ選ばなかったであろうホテルに宿泊していることもわかった。
また、回答者の39%は、将来自分で使うためのポイントを獲得するためにギフトカードにチャージし、16%は特典獲得のために第三者の代理購入をおこなったことがあると答えた。
真のロイヤルティとは?
一方で、ロイヤルティプログラムによるブランドへの引き留めは依然として確実なものとはなっていない。航空会社、ホテル、OTA全体で、1つ以上の「頼りになる」ブランドを挙げた旅行者の57~68%が、過去1年間にそのブランド以外で予約をおこなっていた。
エリートステータスを持つ旅行者や、一貫して同じブランドを利用していると答えた旅行者でさえ、価格、スケジュール、空室状況がより有利な場合、頻繁にブランドを乗り換えている。
フォーカスライト・リサーチ&スペシャルプロジェクト・マネージャーのマデリン・リスト氏は「旅行者はロイヤルティプログラムを非常に意図的に活用している。ブランドにとって、会員への関与だけではロイヤルティにはつながらない。真のロイヤルティとは、価値、信頼できる体験、公正な価格設定を長期にわたって継続的に提供することで生まれるものだ」と話している。
フォーカスライトの調査によると、ロイヤルティプログラムは好感度を高めることはできても、予約で主導的な役割を果たすことは稀だ。ロイヤルティプログラムにおいて、価格に見合う価値、価格設定の公正さ、信頼性、利便性は、あらゆる分野においてブランドの好感度よりも常に上位にランクされる。
経済的負担は旅行者の行動をさらに変化させている。限りある予算で、ポイント交換は、より手頃で、頻繁に、そして快適に旅行するための手段としてますます注目されている。調査によると、旅行者の半数がポイントやマイルを利用して初めての旅先に旅行をしていることから、ロイヤルティプログラムでは、柔軟で幅広い交換オプションを揃えることが重要になってきている。
また、Z世代とミレニアル世代の約半数は、同じブランドを使い続けるよりも多様性が重要だと考えていることも分かった。
リスト氏は「ロイヤルティとは、顧客の生涯にわたるブランドとの関わりの総体。ポイントや特典で、その関係性を強化することはできるが、優れた商品の品質、適正な価格設定、効果的な体験がなければ、ロイヤルティプログラムが顧客の行動を変えることはできない」とコメントした。



