日本旅行業協会、田川会長が語った「英国のEU離脱」から「ITセキュリティ」まで

日本旅行業協会(JATA)の会長の田川博己氏は、2016年7月1日、記者会見で現在の旅行業をとりまく状況と課題についての見方と見解を示した。英国の欧州連合(EU)離脱の決定による旅行需要の影響では「影響を見定めるには、もう少し時間がかかる」として、動向を注視する姿勢。また、2016年の訪日旅行者数では「2400から2500万人」との見方を示した。


旅行業界の抱える課題として、まずJTBなど大きな情報流出が発生した状況について言及。田川氏は、今回は大手の問題として明らかになったが「この問題はまだまだ眠っているものがあるのではないか」として業界として課題とすべきである考えを示した。

業界としては、このほど観光庁が旅行業界との情報共有会議を行い、まもなく有識者会議が始まるところ。JATAとしては、観光庁と連携しながら会員各社の対応、各社の対応策を分析しながら、7月の共有会議で一定の結論を整理していきたいとした。

また、JATA内のネットビジネス部会を強化。議論を深めながら、会員各社に注意喚起の書面を作る方針だ。


英国のEU離脱については、今回の決定で大きな問題であるのは株安であるとし、「需要に少し歯止めをかける可能性がある」と懸念を示した。株安が旅行需要に影響を与える可能性があり、来年・再来年への影響も踏まえ、「冷静に判断していくべき」との考え。

一方、細かな状況確認には、時間が必要。こうした情報収集と業界内の共有を行いながら、「長期戦を見据えてやっていこうと思う」と語った。

また、英国のEU離脱でインバウンドに与える影響は「心配していない」という。訪日旅行者の8割がアジアからの来訪者で占められ、欧州からの渡航者層が為替による影響に左右される層ではないとみている。

その他、海外旅行における欧州復活や、若者の国際化支援、旅行業界における休暇取得の推進、九州観光の復興支援など、多岐にわたる課題に対して積極的に取り組んでいく姿勢を示した。

なお、7月1日の会見後、3日にはバングラディシュのテロで日本人が被害者になる事件が発生している。

会見にのぞんだ新理事長の志村氏

日本旅行業協会は、2016年6月の定時総会で、会長の田川博己氏の続投を決定したところ。また、新理事長には志村格氏が就任しており、会見では「できるものから着実にやっていきたい」との意欲を示している。新体制における、新たな課題への取り組みにも注視していきたい。

トラベルボイス編集部 山岡薫

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