米・法人旅行大手アメリカン・エキスプレス・グローバル・ビジネス・トラベル(Amex GBT)のポール・アボットCEOは、2025年12月に開催されたイベント(The Beat Live)で「私はTMC(法人旅行の手配会社)の価値提案について非常に強気だ」と述べ、AIが法人旅行業界を変革するなかでも、TMCの存在意義は失われないとの考えを示した。
アボット氏は、AIが破壊的イノベーションをもたらすことを認識しつつも、この技術はTMCとAmex GBTにとってビジネスチャンスをもたらすと考えている。
同社は、傘下の法人旅行プラットフォーム「Egencia(エジェンシア)」においてAIと機械学習を活用し、ユーザー体験のパーソナライゼーションを推進している。アボット氏は、自律的に判断・実行する「エージェント型AI」の導入により、この体験がさらに進化すると確信。同社は2025年10月、同機能を搭載したEgenciaのアップグレード版のリリースを発表している。
また、利便性向上のため、使い慣れたビジネスチャットツール上で手配を完結させる技術開発も加速させている。すでにSlack上では、匿名企業と協力してエージェント型AIによるパイロットテストを実施。加えて、アボット氏はMicrosoft Teamsでも同様のサービスを展開する計画を明らかにした。
AIで顧客体験と生産性の向上を
アボット氏は、顧客体験の向上は、最適化やパーソナライゼーションにとどまらず、「リアルタイムのトラブル管理といったことも重要」との考えを示す。「旅行全体がリアルタイムで監視され、問題が発生する前に解決されるようなものを実現していく必要がある」という。また、業務渡航でAIは、従業員のワークフローに統合され、従業員の好みを理解し、従業員の予約プロセスを簡素化できると話す。まだ初期段階だが、Amex GBTによるSlackでのエージェント型AIのテスト運用では、すでに実現への道が見え始めている。
アボット氏がAIの活用でメリットを見出しているもう一つの分野は生産性だ。5年前、Amex GBTの取引きの62%はデジタルだったが、現在では82%までその割合が増えている。また、Amex GBTのプラットフォーム上でおこなわれていた取引は15%から60%にまで拡大した。
アボット氏は「Amex GBTの利益率は毎年増加している。AIは生産性を向上させ、旅行者と旅行管理者の体験を向上させることができると確信している」と自信を示す。
NDCとAIとの組み合わせにも期待
アボット氏は、旅行者だけでなく、サプライヤーに対するTMCのメリットにも言及。「サプライヤーの商品やサービスを、より費用対効果が高く、収益面でもより収益性の高い方法で流通させることができれば、それはサプライヤーにとってもいいことになる」と話した。
その例として航空会社の新流通規格NDCを挙げ、AIと組み合わせることで、付帯サービスの拡大が可能になり、より多くのサポートを提供できると期待を示した。
※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事 : AMEX GBT CEO ON WHY AI WILL ‘STRENGTHEN AND STRENGTHEN’ TMCS




