未来学者らが50年後のホテルの姿を予測、テクノロジー進化で「見たい夢」を設定できるベッドやオーダーメイド施設などが登場

宿泊予約サービス「ホテルズ・ドットコム(Hotels.com)」はこのほど、2060年以降のホテルに関する未来予測レポートを発表した。未来学者であるジェームズ・カントン博士の協力を得て、複数の角度からトレンドをとりまとめたもの。それによると、現在注目されている拡張現実(AR)や人工知能(AI)などのテクノロジーはさらに進化し、人々のホテル滞在にも革新をもたらすとしている。

以下、同レポートで提示されたトレンドから10のテーマを抜粋する。

  • ロボ バトラー:自立型ロボットがバトラーとして宿泊客に対応。宿泊客を空港で出迎えるほか、滞在者の要望に応えて料理や清掃、コンシェルジュサービス、ビジネス関連のアドバイスなどもを提供する。

Hotels.com:報道資料より

  • オーダーメイドのモーフィング ホテル:施設が自ら、消費者動向を反映して建物や環境などを作り上げる「オーダーメイド型ホテル」が登場する。ナノ テクノロジーと機械を利用することで、柔軟にその形を変える施設の運営が可能となる。

  • 客室に 3D メーカーを完備:3Dプリンターのテクノロジーを活かし、旅行者に必要なもの(例:洋服や靴、薬、電子デバイスなど)を客室で作成してくれる「3Dメーカー」サービス。また、注文後にクラウドから必要な商品をダウンロードできる「3Dショッピング」も浸透する。

  • ニューロ ドリーミング:滞在者が「見たい夢」を設定できるベッドの登場。脳科学分野の研究成果を活かし、たとえば「リラックス」「学習」「娯楽」などテーマ別に夢を選定できるようになる。

Hotels.com:報道資料より

  • クラウドソーシングに基づくポップアップ ホテル:期間限定で構築される「次世代型ポップアップホテル」。モバイルクラウドソーシングを活用し、投票によってロケーションやホテルのテーマを決定した後、構築される。宿泊料は仮想通貨を利用することが可能。

  • ウェルネス & アンチエイジング スパ:DNA解析技術を活用し、アンチエイジングを「目玉」にするスパが浸透する。現在の健康状態や今後の健康リスクといった利用者データに基づいて、パーソナルなウェルネスプログラムを提供。

Hotels.com:報道資料より

  • 未来の空港送迎サービス:自動運転が可能な車や次世代交通システム、ロボットが操縦する自動車などが登場。わずか数秒で数100キロ先まで移動できる超音速飛行が実現する可能性も。

  • DNA モバイル決済:自分の身分証明書としてDNAを利用。ネット予約・決済に利用できるほか、ホテルのチェックイン時もDNA指紋鑑定によりスムーズに完了する。

  • トラベル アバター:自分のデジタルエージェントが、旅行予約をしてくれる。本人のニーズに合った旅行を設定するほか、交渉ごとなども担当。アップルのSiriやアマゾンのAlexaなど、AI搭載の音声アシスタント機能がさらにパーソナル化するイメージ。

  • 拡張現実ホテル(AR):未来の旅行者は、現実と仮想世界が融合した拡張現実(AR)空間にある宿泊施設を利用するようになる。拡張現実ホテルでは、これまでにない冒険旅行や歴史探訪などもアレンジする。

そのほか、同社では単なる宿泊だけでなくエンターテイメントの場となる"没入型"ホテル、 DNA 解析の結果をメニューに活かして提供する「ホテル レストランのグルメ ゲノミクス」、エネルギーの有効活用などにより環境と持続可能性に対応する「エコ ホテルの新時代」の到来などを予測している。

また、客室に顔認証システムや複数のセンサー、会話するテレビなどが用意される「スマートホテル」が浸透すると予測。さらに海中ホテルや宇宙ホテル、ホテルにいながら実際にスタジアムにいるような状況でスポーツ観戦ができる「ホロリアルスポーツ」なども出現すると予測している。

以下は、同社が制作した「未来のホテル」をイメージできるショートムービーだ。

Check in to the hotel room of the future(約1分)

  

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