世界の旅行者が求める航空サービスは? スマホで情報受信したいが73%、預けた荷物の「リアルタイム追跡が必須」は56% ―IATA調査

国際航空運送協会(IATA)はこのほど、世界145か国の旅行者と対象とする「2018年度グローバル旅客調査」を発表した。それによると、飛行機で移動する際の要望として挙がったのは、「個人のデバイスへのリアルタイムな情報提供」や「旅行手続きを容易にする生体認証」、「空港での手続きのさらなる自動化」など、テクノロジーに依存する内容が中心。ただし、非常時には人の手による対応を求めるなど、状況に応じた人手によるサポートを求める声も垣間見える結果となった。

同調査は145か国で旅客を対象に実施、1万408人から回答を得たもの。ここで明らかになった主なポイントと、IATAによる見解は以下のとおり。

1. リアルタイムの旅行情報

旅行者はできれば自分個人のデバイスへ、旅行中に絶えず情報を提供してほしいと希望している。中でも要望が高いのは、「運航状況」(82%)、「バゲージ(手荷物)」(49%)、「セキュリティや出入国手続きでの待ち時間」(46%)に関する情報。

また、リアルタイムのバゲージ追跡については、56%が「必須」と回答。自分のモバイル端末でバゲージや旅行に関する情報を受け取りたいという要望も高く、73%が「SMSやスマートフォンのアプリを通して情報を受信するのが望ましい」と応えた。旅行情報をスマートフォンのアプリで受け取りたいとする旅客は2016年から10%増加している。

これらの課題について、航空会社および各空港はIATA決議753号に則って、荷積み荷下ろしなど重要なポイントでトラッキングを行い促進。2020年1月以降すべてのバゲージタグにRFIDを組み込むという計画案に取り組み、リアルタイムのバゲージ追跡への要望に応える方針を示している。

2. デジタル化に平行してプライバシーへの対応が必須に

一方、回答者の65%が「セキュリティ処理の迅速化のためには個人データを共有しても構わない」、45%が「生体認証付きパスポートに取り替える意思がある」と回答。テクノロジーによって受ける恩恵に期待する傾向が表れた。

この点についてIATAの空港・旅客・貨物・セキュリティ担当上級副社長、ニック・カリーン氏は、データ共有の安全性やコンプライアンス、プライバシーを確保した信頼できる枠組みを確立するべく努力を続けていく必要性を説明。IATAのOne IDプロジェクトでは、生体認証トークン(指紋、顔、眼球の虹彩)を活用して空港内での旅客のスムーズな移動を目指すとして、今後ますます手続きのデジタル化が進む中で、旅客が自分の個人データが安全に扱われていることを確信できるように取り組む方針を明らかにしている。

3. 一貫した購買体験

回答者の約43%は、旅行会社や企業の旅行部門を通してフライトを予約したいとしている。

これに対してIATAは、新流通規格「NDC」が、顧客のエアトラベル購買体験を進化させ、航空会社、旅行会社間の通信に最新のデータ伝送規格を使って航空会社のウェブサイトと旅行会社のシステム間のギャップを埋める転換的役割を担っていると解説。NDCによって、航空会社は自社が提供する全てのプロダクトを旅行会社のチャネルでも表示・販売できるようになり、顧客は必要に応じたオプションを選んでパーソナライズしやすくなるとしている。

4. 旅客が苦痛に感じること

旅行中に最も苦痛を感じることは、空港でのセキュリティ検査や出入国管理、搭乗手続き。セキュリティ検査においては、「個人的な所持品を取り出される煩わしさ」(57%)、「ノートパソコンや大きな電子デバイスを手荷物から取り出すこと」(48%)、「空港によって検査手続きがバラバラなこと」(41%)に強い不満が示された。

搭乗の際の改善ポイントとしては、「搭乗ゲートでの待ち行列の短縮」(64%)、「機内で座席上のスペースが利用できること」(42%)、「搭乗ブリッジで行列しなくて済むこと」(33%)が挙がった。

5. いまも重視される「人の手によるサービス」

セルフサービスがより望まれている。回答者の84%が自動チェックインを好み、またスマートフォンを使ったオンラインチェックインを希望するのは全体の47%に上る。一方、従来型のチェックインを好むのは16%にとどまった。

回答者の約70%がセルフ式のバゲージチェックインを望んでおり、自分の荷物のタグを係員に付けてもらいたいと答えたのは3人中1人のみ。電子タグを好むとする回答は前年比8%増の39%に増加した。

出入国手続きの自動化については、全般的には回答者の74%が好意的にとらえ、自動化によって「より速くなる」(72%)、「安全が強化される」(65%)との期待がみられた。

ただし、市場セグメントや状況によっては、やはり人の手による対応が好まれることも判明。例えば、65歳以上のシニア層は従来型のチェックイン(25%、全体では17%)や荷物の預け入れ(42%、全体32%)への強い嗜好が見られた。また、何か問題があった時には全ての年齢層において、40%が「電話」で、37%が「対面で」解決することを望んだという。

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