
JTBは、2024年の日本人海外旅行マーケットの全体像をまとめた「JTB海外旅行レポート2025 日本市場における海外旅行のすべて(JTB REPORT)」を発行した。このレポートは、JTB総合研究所が独自のアンケート調査や各関係機関の統計資料に基づきマーケットの構造や動向を分析・編集したもの。
2024年の日本人海外旅行者数は1300万7000人で、2019年以来の1000万人に回復したものの、2019年比では依然として35.2%減。一方で、韓国と台湾がそれぞれ2019年比で99%とコロナ禍前の水準まで、すでに回復している。レポートでは、中国を除く東アジアでは日本人海外旅行者の回復の遅れが顕著と指摘している。
また、2024年の出国率が10.5%だったなか、20代女性の出国率が29.4%と他の性年代と比較しても突出して高く、2019年と比較すると出国者人数は少ないものの20代女性が日本人の海外旅行市場を牽引している実態が見えるとしている。一方で、かつて海外旅行市場を牽引していた30~50代男性の出国者数の伸び悩んでいる。
報道資料より
為替への感度、抵抗感が少ない若者層
2024年の「海外旅行志向調査」では、為替レートと海外旅行意向に関する調査も実施。男女ともに30代以上の層では「円高になったら行きたい」との回答は多い。レポートでは、為替による割高感が薄まれば海外旅行経験層が動き出す可能性があるとした。
一方で、30歳未満の男性では「為替レートに関係なく行きたい」、「1ドル150円以上でも希望する旅行があれば行きたい」が計45%。30歳未満の女性では「海外旅行における為替レートの適正がわからない、考えたことがない」が44%で最も多く、「為替レートに関係なく行きたい」「1ドル150円台でも希望する旅行があれば行きたい」も計30%となっていることから、若年層は、為替レートに対する抵抗感が少なく、当面の需要回復を牽引していくと分析している。