2026年はどんな年? 旅行・観光ビジネスで知っておきたい、今年の連休から制度改正、世界の動きまで

2026年が幕を開けた。今年は、北米でのFIFAワールドカップ、イタリアでのミラノ・コルティナ冬季五輪、国内では愛知・名古屋でのアジア競技大会など世界的なスポーツイベントが重なる。また、大型連休が多い当たり年で、旅行・観光関係者にとっては、これらのメガイベントを商機につなげ、同時に需給の偏りや制度改正にどう対応するかが問われる。2026年はどのような年になるのか。最新のトレンド予測とカレンダーから、展望をまとめた。

今年の休日は?GWは最大12連休

2026年のカレンダーをみると、例年以上に大型連休が取りやすい日並びで、旅行需要の高まりが強く期待される。まず、ゴールデンウイーク(GW)は、4月29日(水・祝)、5月2日(土)~5月6日(水・振替休日)の期間に加え、4月30日(木)、5月1日(金)の平日に休暇を取得すると、4月29日(水・祝)から5月6日(水)まで最大8連休、さらに4月27日(月)・28日(火)も休めば4月25日(土)から5月6日(水)まで最大12連休が可能になる。一般的な平日勤務の場合、追加での休日取得なしでも5連休は確保できる。

為替変動や物価高に伴うツアー代金の高騰が懸念されるが、この連休の長さは、長距離の海外旅行の需要を押し上げる起爆剤となる。

お盆休みは、8月13日(木)~16日(日)が一般的だが、8月11日の「山の日」が火曜日のため、10日(月)と12日(水)を休むと、8月8日(土)から16日(日)まで9連休となる。さらに、2026年は貴重なシルバーウイーク出現年で、9月21日(月・敬老の日)、22日(火・国民の休日)、23日(水・秋分の日)により、9月19日(土)〜23日(水)が5連休。アジア競技大会の開催期間とも重なるため、国内移動の集中が予想される。これらの大型連休と、振替休日を含め、年間で8回の3連休以上が発生する。

世界を動かす「スポーツ・スーパーイヤー」

2026年は、スポーツや音楽関係といった大型イベントが多く、観光関連事業者にとっては大きなチャンスとなる。一方で、仕入れの困難化、オーバーツーリズムの加速といったリスクも孕んでいる。

世界の主要イベントをチェックすると、アメリカ、カナダ、メキシコで開催される2026年FIFAワールドカップ(6月11日~7月19日)は史上最多48カ国が参加。北米路線の航空座席や主要都市の宿泊施設は1年以上前からブロックされているといわれ、観戦客はもとより、出張と組み合わせたブレジャー需要の盛り上がりは確実だ。

また、2月にはイタリアでミラノ・コルティナ冬季五輪(2月6日〜22日)が開催され、年明け早々から欧州路線の需要を押し上げる。ただし、こうしたメガイベントの影響で、例年以上に予約が困難かつ、高額になる可能性は高い。

また、日本の愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会(9月19日~10月4日)は、アジア全域からアスリート・関係者と観客が集まり、国内、インバウンド需要のさらなる活性化が期待される。シルバーウイークと重なるため、宿泊供給がひっ迫するのは必至で、愛知を起点に旅行者を周辺の岐阜、三重、静岡などへ分散させるなど観光産業の手腕が問われるだろう。

観光関連の制度改正が続々

インバウンドの活況が続くなか、国内では制度面の変更も多い。

まず、2025年12月に公表された「令和8年度税制改正大綱」に基づき、免税制度は海外の多くの国が導入しているリファンド方式に変わる。店頭では、いったん税込価格で支払い、空港の税関で商品を確認後、返金を受ける形となるもの。不正転売を防止する目的で2026年11月1日からの施行となる。訪日客のタビナカでの購買行動にどう影響するか、小売・旅行業界は制度への対応とあわせて注視が必要だ。

同様に、同大綱には国際観光旅客税(出国税)についても、現在の出国1回あたり1000円から3000円への引き上げが盛り込まれた。オーバーツーリズム対策の強化や地方誘客・需要分散の促進、アウトバウンド施策の充実など観光施策に必要となる財源の確保を目的としている。適用時期については、2026年7月1日以降の出国から適用することが明記されており、観光財源の安定的な確保に向け、宿泊税の導入など地域独自の施策拡充もカギとなる。

また、外務省はパスポート(旅券)の発行手数料を引き下げる調整に入っている。旅券法の改正が必要となるため時期は未定だが、出国税の引き上げとあわせての実施が望ましいとの考えだ。実現すれば、10年用パスポートが現行の1万6000円から9000円、18歳未満の5年用パスポートは一律4500円に引き下げられる見込みだ。

世界の動きは?

世界に目を向けると、オーバーツーリズム対策として人気観光地のイタリア・ベネチアは日帰り客への歴史地区への入域料徴収を継続。オランダ・アムステルダムは市内への大型クルーズ船の入港禁止措置や新規ホテルの建築制限を実施する。

出入国関連の動きでは、欧州(EU)が新たな出入国管理システム(EES)の本格運用を開始する。EU域外の国籍を持つ旅行者の指紋と写真を撮影し、そのデータを電子的に登録するものだ。英国では、日本も対象となっている入国時の電子渡航認証を厳格化する。

米国では、2月以降、トランプ米政権がビザ免除プログラムを利用する外国人に対して過去5年分のSNS利用情報などの提出を義務付ける計画が発表されている。正式決定に至るのか、注視が必要だ。

ハワイでは1月1日からクルーズ客への新税制が施行。観光税で調達した資金を気候変動対策などの環境保全活動に充てる「グリーンフィー」の一環で、クルーズ船乗客は運賃総額に11%が課される。

2026年は、国内では大型連休とメガイベントが重なることで、極端なピークとそれ以外の閑散期の差がより鮮明になる。世界では、オーバーツーリズム対策や気候変動、入国管理をめぐる動きが活発化している。観光産業の関係者は、これらの動きを先読みし、攻めと守りの一手をいち早く打つことが成功のカギになりそうだ。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

注目企業 セレクトSPONSORED

トラベルボイスが注目する企業の特設サイトです。ロゴをクリックすると注目企業のインタビューやニュースを一覧することができます。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…