ホテルの現場経験から生まれたAI宿泊管理システムとは? SQUEEZEが実践する施設運営とテクノロジーの融合、利益最大化の手法を聞いてきた(PR)

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全国45施設以上のホテルを運営するSQUEEZE(スクイーズ)は、宿泊運営の幅広い領域でAIの活用を加速している。同社は「『みんな』で過ごせる ライフスタイルホテル」をコンセプトとした自社ブランド「Minn(ミン)」や、アジア初のフィールドを一望する球場内ホテル「tower eleven hotel」など、滞在体験に特徴を持たせたホテルの企画や運営を手がける。

強みは、自らホテルを運営しながら、宿泊施設向けシステム「suitebook(スイートブック)」を自社開発している点にある。運営現場で発生した課題をシステム開発に反映し、自社施設で運用・改善を重ねた仕組みや知見を外部向けのプロダクトにもいかしている。

目指すのは、単なる人手の代替や業務効率化ではなく、AIによって人の力を最大化し、顧客の期待に応えるホテル運営と収益性の向上を両立させることだ。

開発全般を管轄するCTOの新井正貴氏と、マーケティング領域を管掌するCMOの渡部謙太郎氏に、同社のレベニューマネジメント(収益最大化)の実践を軸に、AI活用の現在地と開発思想を聞いた。

「AIで何ができるか」より先に、現場の課題がある

SQUEEZEはこれまで、宿泊施設の業務における属人化や人手不足といった課題に対し、テクノロジーを活用したオペレーションの効率化に取り組んできた。近年、同社が掲げるAIトランスフォーメーション(AX)も、その延長線上にある。

AXとは、AIで業務やサービス、組織のあり方そのものを変革していく取り組みを指す。渡部氏は「根本の目的は当初のDXから変わっていない。それがAIによって加速し、できることの範囲が大きく広がっている」と話す。

従来のDXでは、人が設定したルールに沿った自動化が中心だった。そこにAIの力を載せると、複数の要因を踏まえた判断や提案まで任せることができる。「思考のプロセスを加えられるので、人が考えていた以上の選択肢を示す。一人の同僚のような存在に近づいている」と、新井氏は説明する。

同社のホテル運営の基盤は、自社開発のホテルシステム「suitebook」だ。広くはPMS(プロパティ・マネジメント・システム)に分類されるが、suitebookは宿泊管理に加え、フロント対応や清掃管理などの現場業務、価格設定や売上分析といった経営判断まで、ワンプラットフォームで管理できるのが特徴だ。

suitebookを中心にAIを活用したホテル運営を実現。現場業務から経営領域まで一気通貫で管理するホテル経営に必要な業務をsuitebookという一つの基盤につなげることで、AIが参照できるデータを揃える。「AIは良いインプットがなければ、良いアウトプットを出せない。だからこそ、ホテルの業務データが一つにつながっていることが必要」と、新井氏はsuitebookの開発背景を話す。

同社がsuitebookで最終的に見ているのは、運営ホテルの売上だけでなく、利益だ。ゲストに喜ばれるサービスを続けるには、きちんと利益を残し、事業を安定させる必要がある。そのためには、売上だけでなくコストまで細かく把握しなければならない。同社がsuitebookを「プロフィット・マネジメント・システム」とも位置付けているのは、このためだ。

こうしたsuitebookの開発は、ホテル運営の現場が出発点となっている。新井氏は「プロダクトやAIで何ができるかが先ではない。まずオペレーションがあり、そこで感じた課題をプロダクトに落とし込んでいる」と説明する。

SQUEEZE CTOの新井正貴氏

複雑なレベニューマネジメントの判断をAIで支える

同社のAXへの取り組みが典型的に表れているのが、AIによる収益最大化だ。渡部氏によると、価格の最適化によって売上が20%程度変わるケースもある。同社が運営する宿泊施設のsuitebookにはすでにレベニューマネジメント機能を実装し、運用を開始している。

これまで、宿泊施設のレベニューマネジメント業務は、属人化しやすいという課題があった。その要因と課題を渡部氏は「正解がないこと。加えて、物理的に人がすべてを見ることもできない」と指摘する。

同社が運営する45施設以上の客室を、価格設定の判断対象で分けると約250タイプになる。これらの価格を1年先まで日々設定する場合、価格設定の判断は約10万件に及ぶ。

しかも、判断のために見るべき情報は、予約のペースや前年実績、競合価格、周辺需要など多岐にわたる。空室状況は夜間や休日にも動き、例えば人気アーティストの公演情報がファンクラブ向けに先行発表されたときには、瞬時に周辺ホテルの予約が急増することもある。

「人が目で追えるのは1人あたり数施設、価格調整も朝夕の1日2回程度が現実的だろう。それでは、在庫ビジネスであるホテルは機会を逃しかねない」と渡部氏は話す。

SQUEEZE CMOの渡部謙太郎氏ただし、同社が重視するのは、売上や稼働率だけではない。「僕らは、販売可能な客室1室あたりの収益性(GOPPAR:Gross Operating Profit Per Available Room)まで見ている。どれだけコストをかけてその予約を獲得しているのか、そこまでが大事で、最終的な利益まで考えたレベニューマネジメントをおこなっている」と新井氏は説明する。

例えば、同じ1件の予約でも1泊と4、5泊では、清掃やリネン交換にかかるコストが異なり、収益性も変わる。同社ではインバウンド客が多く、国籍によって滞在日数の傾向が異なる。為替変動も予約動向に影響するため、これらを踏まえた判断も価格設定に反映させている。

経営の意思も、価格判断の材料の一つだ。「開業直後なら単価を落としてでも稼働を取る。安定期に入れば一定の単価を守ることもある。そうした経営の意思をAIにインプットすることで、単純なルールではなく、状況を踏まえた判断ができる」(新井氏)。価格設定を現場の作業ではなく経営判断として扱えるのは、自らホテルを運営し、その事業の損益に責任を持つ会社だからこそといえる。

レベニューマネジメントでは様々な機能を搭載。実績や現在の動き、予測や目標値などを1つの画面に集約し、根拠ある価格判断をサポート

「値上げしてください」だけのAIは、現場で使われなかった

とはいえ、同社の運営施設でもAIを活用した価格の最適化が、最初からうまく機能したわけではない。1年以上前に取り組みをはじめた当初は、AIの提案が現場で採用されないこともあった。

「当初は、AIが『値上げしてください』というだけだった。予約がスローなのになぜ値上げをするのか、理由が分からなければ、本当にうまくいくのか判断できない。結果として思い通りに機能せず、一度作り直した」と渡部氏は振り返る。

そこで現在は、価格変更の提案だけでなく、判断の根拠もAIが説明する。軽微な変更はAIに任せ、大幅な値下げ・値上げは人が承認する。「計算結果だけが出ても、担当者は説明責任を果たせない。AIが『こうした方がいい。理由はこれです』と提案し、人が納得した上で判断できることが重要だ」と、新井氏は話す。

さらに、過去に担当者が価格を変更した理由も、suitebookに履歴データとして蓄積している。結果だけでなく、人の判断の背景までAIに学ばせる。「この時はこうすればよかったと、将棋の感想戦のような振り返りもしている。一番大事なのは、AIの判断を説明可能な状態にすること」と、渡部氏は説明する。

AI活用は、レベニューマネジメント以外にも広がっている。そのひとつ、AI電話応答機能「suitebook Calls」は、運営ホテル固有の質問への回答や予約・顧客情報を踏まえた対応を目指して開発した。FAQはAIが回答し、クレームや返金など、個別対応が必要なより細やかな対応が求められる内容は人が引き継ぐ。2026年5月の導入から2カ月の実績では、約80%の問い合わせがAIだけで完結したという。

清掃管理でもAIが欠かせない。予約データや需要予測から将来の清掃数を予測し、必要な人員配置につなげる。全国に清掃クルー約600名を内製で抱える同社にとって、配置の精度は人件費を通じて会社の利益に直結する。

こうした機能は、まず自社の運営施設で使って成果を確かめ、改善を重ねたうえで、suitebookの導入施設に提供している。

同社ブランド「Minn(ミン)」は「みんなで泊まるホテル」がコンセプト。画像は2026年9月に開業した「Minn 博多 Station East」

AIを前提に、会社の動き方そのものを変える

AIの活用で、SQUEEZEは開発の進め方も変えている。

従来は、現場の課題を責任者が整理して仕様に落とし込み、それをエンジニアへ渡す工程が一般的だった。現在は、ホテル業務を理解するエンジニアが現場に入り、自ら課題を把握して、AIも活用しながら実装する。

「エンジニアも清掃の現場に入る。レベニューマネジメントの担当者の横で、どのような業務をおこない、どんな思考で判断しているのかを把握する。現場を知らなければ、良いものは作れない」と、新井氏は話す。

エンジニアではない渡部氏自身も、AIを使ってサービス開発に関わっている。「コードを書けなくても、今はサービスを作れる。レベニューマネジメントに関する理解度は社内の誰よりも高いので、自分で作った方が、現場の課題や調整の幅をそのまま反映できる。その意味では、開発のあり方は大きく変わっている」と話す。

エンジニアが現場に入り込み、現場をよく知る人も開発に直接関わる動きは、生成AIによってシステム開発や試作が容易になったことで、さらに加速しているという。

同社では、今後AIがさらに高度化することを前提に、企業運営そのものをAIベースへ変えていく方針だ。新井氏は「トップの強い意思がある。そのもとに、全社で変えていく姿勢そのものが、当社の特徴だ」と話す。

それは、人を減らすためのAIではない。「人がやれる以上の価値を出せる領域に、AIを使っている」と渡部氏は強調する。AIが得意な領域はAIに任せ、人は企画や新たな挑戦、意思決定など、人だからこそ価値を発揮する仕事に力を使う。テクノロジーを活用して事業の成長と拡大を推進する企業にとって、AIの進化は、生産性を高め、さらなる事業成長を後押しする大きな原動力となる。

ホテルは、ゲストをお迎えして喜んでいただくことがビジネスの基本――。AIで何ができるかではなく、目的から逆算してAIを使う。AIがどれほど進化しても、ホテルの体験価値を支えるのは、ゲストとの深い接点や営業活動、清掃・衛生管理、客室のつくり込みと、その根底にあるホスピタリティだ。SQUEEZEが目指すAXは、人とAIそれぞれの強みをいかし、ホテルが生み出す価値を高める取り組みである。

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対応サービス:AXプラットフォーム

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記事:トラベルボイス企画部

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