東急が運営する定額宿泊サービス「ツギツギ」が、世界最大級の国際観光アワード「Tourism Innovation Awards」の旅行イノベーション・新ビジネスモデル部門(Travel Innovation & New Business Model Award)で入賞した。このアワードで日本企業がファイナリストに選定されるのは初めてとなる。
「ツギツギ」は月額で宿泊ポイントを購入し、全国500以上の提携ホテルを自由に選んで泊まれる定額制の宿泊サービス。一般的な旅行では、まず旅行に行くことを決め、その後に宿泊先を探すが、ツギツギはこの順序を逆転させ、ユーザーが先に宿泊できる権利を持つことで、泊まれるから出かけるという新たな旅行行動を生み出している。
また、平日・閑散期の需要創出を通じて、宿泊施設の空室活用につなげているほか、会員制のクローズドな仕組みによって、一般市場での価格毀損を抑えながら、宿泊需要の曜日・時期の分散に貢献している。
Tourism Innovation Awardsは、観光産業のデジタル化・テクノロジー・イノベーションに特化した世界最大級の国際イベント「Tourism Innovation Summit」(TIS)の公式アワードとして、世界各国の企業や団体などを対象に、観光産業の変革に貢献する優れた取り組みを表彰するもの。「ツギツギ」が入賞した旅行イノベーション・新ビジネスモデル部門は、旅行の流通や収益の仕組み、新たなプラットフォームなどを通じて、観光産業に変革をもたらす事業モデルを表彰する。
2026年は世界41カ国から221件の応募があり、審査を経て全6部門で各3件、計18件がファイナリストに選出された。これらを入賞として表彰し、各部門の1件に最優秀賞が授与された。
顧客体験、AI、再生型観光など、全6部門の最優秀賞受賞者
次世代顧客体験賞(Next-Gen Customer Experience Award)では、ラディソン・ホテル・グループの「ハイパーローカル(Hyperlocal)」が受賞した。これは、AIを活用したプログラムで、宿泊客をあまり知られていない隠れた名所から厳選された地元のおすすめスポットまで、その土地ならではの体験へとつなぐサービスだ。
AI・デジタルイノベーション賞(AI & Digital Innovation Impact Award)では、ホテル運営とゲスト体験の向上を目的としたAIプラットフォームを提供する「カナリー・テクノロジーズ(Canary Technologies)」が受賞。世界125カ国以上、2万軒を超えるホテルで導入され、業務プロセスの最適化、収益の拡大、ホテルスタッフの業務負担軽減を支援している。
スマートデスティネーション・データイノベーション賞(Smart Destination & Data Innovation Award)は、持続可能でバランスの取れた観光管理を支援するインテリジェンス・システム「FOCUSa」を開発した「Fundación Visit València」が受賞した。
持続可能な観光・再生型観光賞(Sustainable & Regenerative Tourism Award)では、「ダーク・スカイ・アルケヴァ(Dark Sky Alqueva)」プロジェクトに取り組む「Dark Sky Association」が受賞。このプロジェクトは、自然の夜空を保護することで再生型観光地モデルの構築を目指している。
多様性・人材・未来の労働力賞(Diversity, Talent & Future Workforce Award)では、サウジアラビアで観光ガイドの育成に取り組むNSRが受賞した。観光ガイドの資格取得と、観光が急成長する地域で質の高い体験を提供するために必要な実務スキルとの隔たりを埋める取り組みが評価された。
旅行イノベーション・新ビジネスモデル賞では、Wheel the Worldの「Accessibility Verified」が最優秀賞を受賞した。旅行体験のアクセシビリティを認証し、旅行者が利用しやすさを確認できるようにするモデル。「ツギツギ」は、MICEを量重視から価値やインパクトを重視するビジネスイベントへ転換する取り組み「BEFuture」を展開するカタルーニャ・コンベンション・ビューローとともに、同部門のファイナリストに選出された。





