国内航空18社の経営実態、8割が増収、LCC3社は赤字(2012年度) 

帝国バンクは、このほど国内中堅・新興航空会社18社(JALとANAは除く)の経営実態調査を行った。それによると、2012年度の収入高について、前期と比較可能な15社のうち12社が増収となり、全体の8割を占める結果となった。(各社の具体的な数値は最下段の表を参照。)


▼旅客数増加が追い風、内際ともの需要増加で

帝国バンクでは、2012年度は国内線・国際線ともビジネス・レジャー双方の需要が増加し、旅客数が堅調に推移したことや、アベノミクス効果で円安が進み、海外から観光客が増加したことが航空業界の追い風になったと分析している。LCCのなかでは、ピーチ・アビエーションが旅客数を伸ばし、実質1期目で収入高は約143億8700万円を計上した。

損益については、2012年度で判明している17社のうち、黒字となったのが13社(全体の76.5%)。第3セクター方式の運営を行っている琉球エアコミューターや天草エアラインも黒字を計上した。一方、赤字は4社(全体の23.5%)。2011年3月にJALグループから離脱した北海道エアシステムは、北海道を筆頭株主として再スタートを切ったものの、重大インシデントや機材不良などのトラブルが立て続けに起こったことで、2期連続の赤字となった。また、LCC3社はともに赤字を計上した。


▼明暗分かれるLCC、関空拠点のピーチが堅調

LCC3社の業績は明暗が分かれた。ピーチ・アビエーションは価格にシビアな関西圏の利用者を獲得したほか、24時間運航が可能で、着陸料も安い関空を拠点としたことで、コスト削減と高い搭乗率を実現した。一方、成田を拠点とするエア・アジアは就航から約8ヶ月しか経っていないものの、交通費の割高さに加えて、成田の運航制限のために機材効率が悪く、収益が悪化。収入高は約34億6700万円、当期純損失は約36億4100万円となった。ジェットスター・ジャパンは業績を公開していないが、拠点とする成田での利用者が伸び悩むなか、関空の拠点化が延期になったことで、赤字幅が拡大、赤字額は数十億円にのぼると見られている。

帝国バンクは、今後の見通しについて、訪日外国人旅行者の増加するなか、LCCは路線を拡大し、大手旅行会社もLCC利用のツアーを強化するなど、日本のLCC市場はさらに活性化する可能性があるとしている。また、来年5月就航予定の春秋航空日本などLCCの新規参入が進むことで、そのほかの新興航空会社はLCCの低価格料金に打ち勝てず、乗客の流失が懸念されると分析。LCCの当面の注目点としては、価格競争や市場獲得競争のなかで、運航品質や安全運航を維持しつつ、早期に黒字化できるかを挙げている。

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