アエロメヒコ航空、アジア路線の拡大へ、日本路線のデイリー化も視野

2014年9月に創立80周年を迎えたアエロメヒコ航空(AM)。このほど本国からのセールス・マーケティング担当最高責任者のアンコ・ヴァン・デル・ヴェルフ氏が来日し、旅行業界向けのセミナーで日本マーケット関連の状況と今後のグローバル戦略について語った。


アエロメヒコ航空は、2013年の旅客数1500万人を達成。ヴェルフ氏によると、2014年には1800万人を視野に入れているという。これは、メキシコ国内の2つのハブ空港、メキシコシティに加えて、モンテレイをもつことで利便性が増しているのが一因だという。

そして、今後の方針として、ヴェルフ氏は長期計画でB787の保有を5機から20機に増やし、南米中心の路線展開からアジアにも目を向けていく考えを明らかにした。「メキシコの(地理的な)位置を考えたら、アジアにも(ヴェルフ氏)」との理由からで、すでに上海便は週2便から3便に増便。今後はアジアの新たな就航都市も模索するという。

日本路線では、ディリ―フライトの可能性についても言及。2013年のB767からB787へ機体の大型化、さらに週3便から4便への増便により、座席供給が60~70%増えたことを挙げ、今後のポイントとしては、特に日本の主要なメーカーが進出する自動車業界と関連企業の投資拡大が増便に影響を及ぼすと、期待を語った。

日本路線は、就航から7年。機内食には和食を用意し、日本語を話す乗員を乗せるなど、おもてなしの心で信頼を得てきたことにヴェルフ氏は自信をのぞかせた。現在、日本路線ではB787を投入しており、ビジネスクラスは32席のフルフラットシート、16インチのタッチスクリーン式テレビを装備。気圧を低くしたまま飛行するB787 の快適性を「特に長距離便(日本路線)で感じていただける」と自信を見せた。


▼メキシコシティの復路便、経由地をモンレイに変更で利便性向上

2014年9月からは、メキシコシティから成田への復路便での経由地がティファナからモンレイに変更となっている。モンレイは、成田をはじめ7つの国際線と16の国内線コネクションを持っており、最新設備をもつターミナル。ヴェルフ氏は、モンレイについてメキシコ各地に投資するビジネストラベラーの需要に応えるとともに、グアダラハラ、アグアスカリエンテス、サン・ルイス・ポトシ、ケレタロの各都市からの成田への移動が今までより便利になることを説明。同空港の利便性を強調した。

なお、復路の経由便についてはB787-8型機投入でノンストップ化ができるとみられている。しかし、ヴェルフ氏は実施開始の目途について、現在もボーイング社と調整が進行中であることを明かすにとどめ開始時期の明言は避けた。


WS000293セミナーでは、ヨーロッパ・アジア地区営業本部長のロシオ・ブラスケス氏(写真右)もスペインから来日し挨拶。2006年に日本線が初就航して以来、2010年には日本オフィスを開設、現在、成田/メキシコシティ間を週4便に増便した成果を強調。セミナーに参加した旅行会社に向けて「これからも日本の皆様のご意見に耳を傾けていきたい」と、決意を語った。日本支社長の加藤欣弥氏も、旅行会社の収益の担保の重要性を訴えるとともに、同社の日本マーケットへの取組への理解と支援を求めた。

▼メキシコへの日本人旅行者、2020年に22万人へ


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当日はメキシコ大使館のアルマンド・アリアガ臨時代理大使はじめ大使館関係者や観光局も出席した。

登壇したメキシコ観光局駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏(写真右)は、ラテンアメリカにおけるメキシコの重要性を語り、現在年間10万人となったメキシコへの日本人渡航者数を、2022年には22万人にしたいと、意気込みを述べた。そのための重要なステップとなる2020年東京オリンピックに向けて、さまざまなイベントを企画する予定だという。

  • 取材・記事:横井弘海

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