ユナイテッド航空が決算発表、オーバーブッキング騒動に謝罪、CEO「旅客を中心に考える企業」へ

(AP通信)

ユナイテッド航空(UA)は2017年第1四半期(1~3月)決算を発表した。それによると、純利益は前年同期比69.3%減の9600万ドル(約105億円)に縮小。好調な旅行消費と、航空各社の供給調整などに伴う競争縮小により、売上は同2.7%増の84億ドル(約9240億円)と拡大したが、諸経費も7.9%増の81億ドル(約8910億円)に上昇。特に燃料費が28.1%増と大幅に拡大したほか、人件費(6.9%増)、メンテナンス・修理費(12.9%増)なども増えた。

一方、運賃は引き続き回復基調にある。同社によると、第1四半期の座席マイル当たり旅客収益(PRASM)は前年同期比で横ばいとなり、ここ2年ほど続いていた下落傾向がひと段落。今年第2四半期のPRASMは同1~3%増のプラス成長に転じると予測している。フライトキャンセルや定時運航率、ロスト・バゲージ発生率はいずれも改善した。

なお決算発表の際、同社のオスカー・ミュノス最高経営責任者(CEO)は、4月9日にシカゴ空港で発生したユナイテッド・エクスプレス3411便オーバーブッキングによる強制退去事件について再び謝罪。

「3411便で起きた事件は恥ずべきことであり、全責任は私が負う。当社にとって重大な転機であり、今後、どのような局面でも、まず旅客を中心に考える企業を目指す決意だ。予約からバゲージ・クレームまで、旅客サービスにおいて米国の航空業界の規範となるよう全力で取り組む」としている。

AP通信によると、今のところ、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス株価に大きな影響は出ていない。事件発覚後、同社株価は下落したが、値下がり幅は他の航空会社と同レベル。また事件が明るみに出る前の10日月曜日、UA株は2.5%上昇し、終値は70.77ドルだった。四半期決算の発表後は、売上、株価当たり利益ともにウォール街の予測を上回ったことが奏功し、同株価は73セント値上がりした。

※この記事の円換算値は、1米ドル110円としてトラベルボイス編集部が算出した。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…