中国最大手OTAのCtripが新ブランドTrip.comの日本展開でCEO来日会見、三井住友カードと提携発表

Ctrip.com InternationalのCEO・孫潔(ジェーン・スン)氏

Ctrip(シートリップ)は、新グローバルブランド「Trip.com」の日本における新事業戦略発表会を開催し、三井住友カード、および銀聯国際との提携を発表した。2018年6月6日から、銀聯(Union Pay)ブランドのクレジットカード「Trip.comグローバルカード」を発行し、募集を開始する。

Trip.comは、Ctripが米国の新興OTAを買収して2017年11月に開始した、中国国外で展開するOTAサービス。13か国語に対応し、現在、提携ホテルでは200か国120万軒、フライトは5000都市200万ルートを扱う。日本でもTrip.comでのサービスを開始しており、Ctripは中国語でのサービスとなっている。

発表会にあわせ来日したCtrip.com InternationalのCEO孫潔(ジェーン・スン)氏は、「5年以内に海外市場を拡大する目標を掲げている」と語り、Trip.comを強化する方針を示した。日本では現在の50%~100%増の成長を見込む。今回の3社提携はその第一歩であり、「小さな一歩だが、将来は計り知れない大きな成長が待っている」と自信を見せた。

Ctripが中国国外で提携クレジットカードを発行するのは、今回が初めて。同カードには利用額に応じた加算ポイントを最大1万円分の割引コードへ交換可能とするなど、Trip.com会員限定サービスを付帯した。また、アジアに強い銀聯ブランドで展開することで、レジャーのFIT客をはじめ、海外出張者の利用も見込む。カード発行枚数の目標は「100万枚以上」(スン氏)だという。

会見には、三井住友カード代表取締役社長・久保健氏(右)と、銀聯国際有限公司の副総裁・王立新(ワン・リーシン)氏も本提携の戦略を発表

ただし、Trip.comのブランドマーケティングを担当する徐子珮(レスリー・シュー)氏によると、本事業の最大の目的は、三井住友カードおよび銀聯国際との提携そのものにある。ソン氏も「日本最大のカード会社である三井住友カードとの提携は、日本市場での信頼の証になる」と語り、日本でのブランドイメージの向上に繋がる意義を強調。

同社が、約8000人のエンジニア、24時間365日対応のコールセンターに約1.5万人を配置するなど、技術開発と顧客サポートに多大な投資を行なっていることも示し、「良い商品と良いサポート技術でより良いサービスを提供すれば、必ずユーザーがついてくる」と述べ、日本での展開に自信を示した。

今後、日本においては旅マエ、旅ナカでの商品・サービスの拡充に力を入れる。Ctripでは現在、80種類以上の商品・サービスを提供しており、ソン氏は「世界最大のワンストップサービスとして運営している」と、自社の強みをアピール。日本では現在、ホテル、フライト、鉄道予約の3商品だが、「クレジットカード発行を踏まえ、旅行のプラットフォームとしてのみならず、利用者が旅行の計画段階から旅行中に必要なコト、モノを提供していく」と、強みを生かす考えも明かした。

なお、Ctripは現在、会員数が世界3億人、従業員数が約3.7万人で、Ctripによると時価総額は世界のOTAで2位となる235億ドル(日本円:約2.5兆円)。近年は、中国最大のメタサーチQunar(チューナー)と英国のメタサーチSkyscanner(スカイスキャナー)を取得し、インド最大OTAのMakeMyTrip(メイクマイトリップ)に出資するなど、M&Aや資本提携に積極的だが、日本では現在のところ、買収や出資の予定はないという。

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