2019年度の観光予算が決定、総額は2.2倍増の711億円、出国税485億円は観光庁や他省庁が執行へ

政府は2018年12月21日、2019年度(平成31年度)予算案を閣議決定した。それによると、観光庁の予算額は2.2倍の711億600万円。そのうち東北復興枠を除く一般会計予算は2.4倍増の665億9600万円、東北を対象とする復興枠は前年並みの45億1000万円となった。

一般会計予算665億9600万円は、国際観光旅客税(いわゆる出国税)の財源から485億円を充当している。同日に開催された観光立国推進閣僚会議では、出国税の使途と配分も策定。訪日外国人旅行者を2020年に4000万人とする目標に向けた事業に充当するほか、既存の施策の財源の穴埋めではなく、負担者の納得が得られる取り組みであり、先進性や費用対効果が高い取り組みであること、地方創生など重要課題に対応すること、といった方針とした。

具体的な観光財源を充当する施策・事業については、観光庁に一括計上した上で、関係省庁に移し替えて執行する。一部、三の丸尚蔵館の整備に係る経費は宮内庁の管轄になるが、その他主要な事業に関しては観光庁の他、法務省、財務省、文化庁、環境省らが執行官庁となる。予算とその概要は以下の通り。

観光立国推進閣僚会議 資料より(出国税の使途内訳)

一般会計予算全体の665億9600万円の内訳は、3本柱となる「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」に278億6500万円(前年比2.37倍)、「わが国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化と観光産業の基幹産業化」に148億7600万円(1.38倍)、「地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上」に224億4100万円(6.41倍)。

以下、3本柱とする各項目について、予算案概要を抜粋する。

ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備(278億6500万円)

ここでは、まず、円滑な出入国の整備には70億6300万円、通関などの環境整備に30億1100万円を計上(いずれも出国税を財源に充当)。出入国環境では、顔認証ゲートやバイオカートの整備、ディープラーニング技術を活用した個人識別情報のシステムといった世界最高水準の技術を導入することで革新的な入国審査を実現、待ち時間の短縮にもつなげる。また、税関検査でも事前にアプリで携帯品を申告した場合に検査なしで通過できるようにする電子申告ゲートを設置。パスポートの読み取りを迅速化するとともに的確に判別できるような新たな説米を導入する予定。

あわせて、訪日外国人旅行者受け入れ環境整備には54億7400万円を計上し、地方や宿泊施設、交通サービスにおけるインバウンド対応支援事業を推進。公共交通利用環境の革新などにも55億円を投入するものとした。そのほか、チェックインから登場までの一連の手続きを自動化する「FAST TRAVEL」の推進では35億円を計上している。

わが国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化と観光産業の基幹産業化(148億7600万円)

ここでは、「戦略的なプロモーションの実施」に90億円4900万円を投入。欧米豪やアジアなど重点20市場に向け、戦略的なプロモーションを展開。また、中東や中南米など、今後訪日インバウンドの成長が想定される地域に対する市場調査や先行的なプロモーションなどもおこなう。

さらに「ICTの活用などによる戦略的プロモーションの実施」に対し、出国税を財源とする51億4900万円を充当。ここではビッグデータ事業者が持つデータやSNSの分析結果などを蓄積することでプロモーションの見直し・改善に利用。また、個人の関心に合わせたコンテンツのパーソナライズにもつなげる考え。

地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上(224億4100万円)

このなかで、最も多く予算を充当するのは「文化資源(文化財等)」を活用したインバウンドのための環境整備」で、出国税を財源に100億円を充当。政府が進める「日本博」の開催を機に、日本を代表する国宝や重要文化財を活用した観光コンテンツを全国各地で創出。また、VRやARを持田制裁画像やクローン文化財といった高精細レプリカも活用し、国家ブランディングにつなげる。

そのほか、国立公園のインバウンドに向けた環境整備に50億800万円を計上。利用拠点の滞在環境の上質化を図るとともに、野生動物観光のコンテンツ作りも推進。多言語開設の充実などを進める方針としている。

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