インフィニ、セーバーの日本地区販売代理店に、世界対応のソリューションを日本の旅行会社に販売

インフィニ・トラベル・インフォメーションとSabre(セーバー)は2019年6月4日、新たに日本における販売代理店契約を締結した。これまで両社はGDSのホスティング契約のみだったが、インフィニは今後セーバーがグローバルで展開するソリューションやプロダクトを日本の顧客向けに販売する。インフィニとANA(60%)およびアジア主要航空会社11社で構成されるEverest Investment Holdings (40%)との資本関係に変更はない。

インフィニ代表取締役社長の植村公夫氏は、今回の提携について「ITの進化によって社会全体がデジタル化しているなかで、クライアントのビジネスモデルも多様化しており、そのニーズに応えていく必要がある」と説明。日系GDSとしての強みを活かしながら、海外提携やグローバル展開を進める日本の旅行会社を中心にセーバーのソリューションを提案していく方針を示した。

セーバー・トラベル・ネットワーク・アジアパシフィック副社長のトッド・アーサー氏は、NDCなど最新技術に10億米ドル(約1,000億円)の投資をしていることを強調。そのうえで、「今回の提携によって、セーバーの最新テクノロジーを日本で提供できるようになる。セーバーとしてはアジア太平洋における継続的なコミットメントの表れ」と述べ、インフィニを通じて日本の旅行業界とのパートナーシップをさらに強化していく考えを示した。

今回の提携の最大のポイントは、インフィニが日本の旅行会社に対して、日本オリジナルのインフィニのサービスやプロダクトに加えて、セーバーが展開するグローバルソリューションやプロダクトをワンストップ提供できるようになること。これによりインフィニは、従来のサービスに加えて、たとえば業務渡航などに対するグローバル対応を強化することが可能になる。インフィニによれば、従来の顧客の保持に注力しつつ、これまでグローバル対応の遅れにより他グローバルGDSに流れていた顧客も新たに取り込みたい考えだ。

具体的には、現在展開しているインフィニのプラットフォーム「INFINI LINX PLUS」に加えて、セーバーの「Sabre Red 360」やバックオフィス関連のプロダクトを販売する。さらに年内をめどにセーバーの機能を実装した「Sabre LINX PLUS」もローンチする予定。それぞれクライアントのニーズに合わせて提案していく計画だ。今後の一本化については「理想的」としながらも明言は避けた。

また、NDCについては、インフィニはトラベルフュージョンのソリューションを活用して「INFINI LINK PLUS」でコンテンツを提供する一方、セーバーは昨年、NDCをリードするフェアロジックスを買収した。今後は顧客のニーズを見極めつつ2本立てで展開していく予定だ。

日系GDSを巡る動きでは、JAL系列のアクセス国際ネットワークとトラベルポートジャパンの統合を前提とした合弁会社の設立が発表された。これについて、インフィニはセーバーとは20年にわたる関係があり、今回の契約についても2年前から協議していたと説明。契約後すぐに営業活動を行なえることから、むしろ「アクセス・トラベルポート」よりも進んでいると強調した。

インフィニ代表取締役社長の植村公夫氏(左)とセーバー・トラベル・ネットワーク・アジアパシフィック副社長のトッド・アーサー氏が販売代理店契約に調印。

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