国際航空運送協会、プレミアムクラス旅客への新たな気候変動対策税案に反対、二重課税につながる恐れを強調

国際航空運送協会(IATA)は、プレミアム・フライヤーズ連帯連合が提唱する航空旅客に対する新たな課税案について、支援対象国に与える可能性、悪影響に関する信頼できる分析が欠如しているとして、反対の姿勢を示した。同連帯連合は、気候変動対策の資金調達を目的に、新たな国際課税を提唱する国家連合。プレミアムクラス(ビジネスクラスやファーストクラス)の利用者に対して、新たな税金や課徴金を課すことを提唱している。

IATAは、この課税には根本的な欠陥があると主張。直接的な排出量削減にはつながらず、発展途上国や島国にとって逆効果となる恐れがあるうえ、航空旅客への課税強化は、地域間のアクセス性を脅かし、競争を歪め、最終的には航空をライフラインとして最も依存している地域の社会経済発展を阻害することになりかねないと警鐘を鳴らしている。

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、「航空業界は経済の触媒であり、ドル箱ではない。航空業界は2050年までに炭素排出量実質ゼロを達成することを約束しており、国際的に合意された炭素オフセット・削減スキームであるCORSIAを通じて、1000億ドル以上(約10兆5600億円)の気候変動対策資金を提供する予定だ」と述べている。

IATAでは、国際民間航空機関(ICAO)加盟国193カ国すべてが採択した「国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム(CORSIA)」は、国際航空業界にとって唯一のグローバルな対策と位置付けている。

CORSIAは、炭素クレジットの購入を通じて、気候変動対策資金を途上国に直接供給する炭素取引市場を確立している。2024年から2035年の間に、航空会社は15億トンから20億トンのCO2排出量を相殺・削減すると予想されており、その結果、1000億ドル(約1.56兆円)を超える投資が見込まれている。

10月に開催されたICAO総会では、各国政府はCORSIAの独占的な役割を再確認し、二重課税につながり、気候変動政策の一貫性を損なう重複した措置の蔓延に懸念を表明。プレミアム・フライヤーズ連帯税のような重複した課税は、この合意に反するだけでなく、資源の転用や規制上の混乱を招き、CORSIAの有効性を損なうリスクがあるとしている。

※ドル円換算は1ドル156円でトラベルボイスが算出

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