国土交通省は、「『交通空白』解消パイロット・プロジェクト」の第6弾として北海道苫小牧市と広島県庄原市の取り組みを採択した。
このプロジェクトは、「交通空白」解消・官民連携プラットフォームのもと、交通空白の課題を抱える自治体や交通事業者と、その解決に向けたソリューションを持つパートナー企業などが、連携・協働することで、全国一斉に「交通空白」解消に向けた事業を実施するもの。具体的には、公共ライドシェアの運行管理の共同化や夜間の足の確保などを支援していく。
今回の採択では、北海道苫小牧市と広島県庄原市の夜間の足の確保として、データによる夜間移動需要の把握、夜間商業・観光資源との連携を進めていく。
苫小牧市では、夜間にタクシー供給不足が発生。運転手の高齢化などに伴い夜間に稼働するタクシー台数も不足するため、飲食客などからの帰宅手段の確保が課題となっている。また、庄原市では、市内のタクシー事業者が運転手不足などを理由にの夜間の運転をとりやめたため、夜間時間帯に交通空白が生じている。
苫小牧市では、忘年会シーズンの週末に、路線バスの最終便を繰り下げて運行することで、飲食客などからの帰宅手段を確保するとともに、不足するタクシーの補完台数や利用者の乗降データを分析したうえで、市中心部から東西へ走る2路線を対象に実証運行する。
庄原市では、夜間帯に商工団体と飲食・観光などの関係者との連携のもと、 デマンド型の公共ライドシェアを実証運行。忘年会・新年会の帰宅手段や国営公園のイルミネーションなどへの移動手段を確保する。
両市では、プロジェクトを進めることで、夜間の街中の賑わい創出(ナイトタイムエコノミーの活性化)を図っていく。
