2026年も旅行需要を押し上げる「ライブツーリズム」とは? 皆既日食、コンサート、ワールドカップなど、「瞬間」が旅の目的に【外電】

過去最多の観客動員となったテイラー・スウィフトの「Eras Tour」から約3年が経ったが、ライブツーリズムは依然として観光産業の大きな力となっている。

ロンドンやニューヨークなどの大都市は、集客が見込める音楽ライブイベントの誘致に注力している。インドでは、2025年に前年比18%増の56万2000人以上が音楽イベントを目的に異なる都市へ旅行した。

米チケット販売会社のライブ・ネイションによる最新調査では、2025年のライブ音楽イベント参加者の40%が、音楽イベントのために少なくとも約800キロメートルの距離を移動した。同社ファンインサイト担当副社長アリーシャ・ストロザー氏は「ファンは、これまで以上にライブ音楽を観る目的で旅をすることに意欲的だ」と話す。

2026年に注目すべきライブイベントは?

ライブツーリズムとは、場所ではなく、その「瞬間」が旅の中心になる観光の形態。象徴的なランドマーク、ビーチ、文化体験などとは異なる旅のモチベーションをもとに人々が国内外を問わず移動する。

ライブコンサート、天体現象、スポーツイベントなど、2026年に注目すべきライブイベントをまとめた。

皆既日食

8月12日、ロシア、グリーンランド、アイスランド、スペイン、ポルトガルで皆既日食が発生する。数百万人の旅行者を魅了した2024年の皆既日食のような現象になれば、経路沿いの観光地は再び混雑する可能性がある。

スペインは、2026年、2027年、2028年に相次いで発生するスペイン全土を横断する皆既日食と部分日食に備えるための特別委員会を設置。皆既日食の経路にある農村地域ではフェスティバルやイベント開催に向けた支援活動を開始した。また、アイスランドでは、観光客誘致のため、2026年に4日間の皆既日食フェスティバルを開催する予定だ。

音楽ライブ

2026年も多くの人気アーティストが世界中でコンサートを開催する。

アリアナ・グランデの「エターナル・サンシャイン・ツアー(The Eternal Sunshine Tour)」は、夏に米国、カナダ、英国で開催される予定だ。レディー・ガガの「メイヘム・ボール(THE MAYHEM BALL)」ツアーは、2026年初頭に日本と米国でおこなわれる。

ジャーニーの「ファイナル・フロンティア」ツアーは、2月から7月にかけて北米をめぐり、ガンズ・アンド・ローゼズの「2026年ワールドツアー」は、北米、南米、欧州で開催される。

このほか、ボン・ジョヴィ、ノー・ダウト、ケニー・チェズニー、バックストリート・ボーイズなどはラスベガスを中心に定期公演(レジデンシー)を実施する予定だ。

Airbnbグローバル・パートナーシップ&ビジネス開発責任者フアン・ダビド・ボレロ氏によると、2025年の「ロラパルーザ・フェスティバル」開催期間中のシカゴで、Airbnbの検索数は前年比で約35%増加したという。

FIFAワールドカップ

米ショーン・ダフィー運輸長官は、北米16都市で104試合が行われる過去最大規模の2026年ワールドカップで、米国に600万人が訪れると予想している。バンク・オブ・アメリカ研究所所長のリズ・エベレット・クリスバーグ氏は「ライブイベントの開催地域での支出は7~10%増加する」と明かす。

支出の見通しは?

ムーディーズ・レーティングスによると、米国では雇用が軟化し、賃金上昇も鈍化するとの予測から、2026年の消費者支出の伸びは、2023年から2024年の年間2.5%~3%から1.5%に低下する見込みだという。

一方、消費者の旅行や体験への支出意欲は依然として高いとの認識を示す著名アナリストもいる。ただし、慎重に判断する傾向が強まっているという。

ライトハウスのホスピタリティ調査ディレクターのブレイク・ライター氏は、旅行者が予算を引き締めている兆候も見えるとする。旅行回数は減っていないものの、1回あたりの支出額は、2026年には減少する可能性があると指摘。「旅行意欲は旺盛だが、予算を重視する傾向が強まっている。有意義で効果的な旅行を重視する傾向は今後も続くだろう」と話した。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」 から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: The Live Tourism Events That Will Shape 2026

著者:Bailey Schulz氏


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