成田/バンコク線に新LCCノックスクート就航、双方向の需要に期待、国内LCCとの協業にも意欲

LCCスクートが47%の株式を保有する中距離国際線LCCのノックスクートは、2015年第一四半期を目途に新たに成田/バンコク線で新規就航する(政府認可申請中)。ノックスクートは、シンガポール拠点のLCCスクートと、タイのLCCノックエア-が合弁で設立した新しいLCC。このほど、同社のピヤ・ヤドマニCEO(写真右)とスクートのキャンベル・ウィルソンCEOが来日、今後の戦略と見通しを語った。

ノックスクートのピヤ・ヤドマニCEOは、2015年に就航することについて「いいタイミングではないか」と語る。これは、タイ・バンコク周辺に発令された戒厳令の影響が一息つくであろうとの予測から。ヤドマニ氏は、戒厳令下でもタイが通常通りとなり、外国人旅行者が正常化していることを強調。就航予定の2015年初頭は日本人がタイ旅行に戻始める好機ととらえている。

一方、活発なタイからの訪日旅行者からの需要も強い。ウィルソンCEOは、就航当初は7割がバンコク発のタイ人旅客、3割が日本人旅客になると見込む。しかし、一方の市場が強いことは予測不能な需要低下に対するリスクも高く「2~3年後には半々にしていきたい(ウィルソンCEO)」考えだ。


IMG_6917また、ウィルソン氏は日本でのLCCとの協業に「興味がある」と明かす。これは、タイから日本の地方路線、地方から成田を経由したバンコク行きの旅行者の乗継ぎに対応するため。他社フライトを自社航空券に切り込むインターライン契約でLCCを活用して地方を訪れる旅行者の利便性を高めたい考えだ。現在、スクートはタイガーエアとの協業をしており、すでにモデルがあることから「パートナーが見つけられれば、1回で航空券を買う利便性を提供したい」と語った。

▼サービスや価格はスクートとほぼ同じ

販売チャネルは旅行者が選択できる環境に

ウィルソンCEOはスクートとノックスクートを「同じDNAを持つ会社」と表現。スクートが提供してきたコンセプトを「全く同じ方向性ですすめていく」方針を強調した。スクートは、フルサービス航空会社が提供する半値程度の運賃、安全性、定時制、フレンドリーさをアピールしてきたが、新たなノックスクートも同様の路線で展開する。


IMG_6923また、航空券販売についてスクートとノックスクート両社の日本支社長を兼任する坪川成樹氏(写真右)は「消費者動向が変わっている」ことを指摘。スクートのオンライン予約が需要の低いシーズン、すなわちLCCとして価格を安く提供するシーズンに大幅に伸びているという。こうしたことから、消費者動向を見極めながらアプリ開発やサイトの利便性を高める投資もしていく可能性を示した。一方、日本市場は旅行会社を通して航空券を購入する旅行者が多いのが特徴で、旅行者が嗜好にあわせて販売チャネルを選択できるよう環境を整えていく考えだ。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)

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