日本政府観光局、2025年のインバウンド動向を総括、中国市場のシェア低下で21%、地方誘客と市場多様化を強調

日本政府観光局(JNTO)は、メディアブリーフィングを開き、2025年のインバウンド市場の動向について総括する説明をおこなった。2025年の訪日外国人数は4268万3600人。日中関係の悪化を受けて中国からの訪日客数は12月に前年比45%減となったものの年間で900万人を超え、過去最多を記録した。

そのなかで、JNTO理事の出口まきゆ氏は、「地方誘客と市場の多様化は着実に進んでいる」との認識を示した。

地方誘客について、2025年10月の外国人延べ宿泊者数の実績でみると、三大都市圏の伸び率が前年比0.8%減となった一方で、地方部では同14.1%増と大きく伸びた。また、市場別では、2025年1月~10月の速報実績で、台湾および韓国が2019年同期を上回ったほか、米国、カナダ、欧州各市場では2019年同期比で200%を超えた。

市場の多様化については、中国と東アジア3市場(韓国、香港、台湾)の訪日客数シェアが2019年の70%から2025年は65%に縮小。特に中国は30%から21%に減少した。一方、欧米豪・中東のシェアは14%から18%に拡大。市場別では、2021年11月に事務所を開設したメキシコと中東(ドバイ)からの訪日客数は、それぞれ2019年比179%、170%と大きく伸長した。

今年6月の大相撲パリ公演でもプロモーション強化

また、今後の海外プロモーションについても説明した。

2025年10月に英国で開催された大相撲ロンドン公演と連携した取り組みでは、現地の旅行会社やメディアを対象にトークショーやネットワークイベントを開催。その結果、2027年に日本で大相撲観戦を組み込んだツアーを造成する旅行会社も現れたという。JNTOとしては、2026年6月にパリ公演が開催されることから、ロンドンと同様の取り組みをフランスでも展開していく計画だ。

韓国市場では、2025年日韓国交正常化60周年を契機とした訪日プロモーション事業として、日本の「おすすめ小都市60選」を展開。インフルエンサーの招請や現地でイベントを開催し、地方の魅力を訴求した。その結果、2025年1月~9月の訪日韓国人の地方部での宿泊率は前年同期の45.4%から52%に拡大。また、宿泊人数も前年同期よりも約52万人増加したという。

訪日教育旅行も増加、台湾が最大市場

このほか、訪日教育旅行として学校交流の現状についても説明した。

2024年度の学校交流の受入れ状況に関するアンケート調査によると、対面による学校交流件数は計771件。2023年度比で3割程度増加した。市場別では台湾が最も多く、中国、韓国、米国が続いた。受入れ地域では、中部が最も多く210件だった。

また、参加人数については、前年度比約2割増の1万8700人。最も多かった市場は同じく台湾で、受入れ地域では関西が5930人と最も多くなった。

JNTOでは現在、「訪日教育旅行ガイド」で情報発信を行なっており、外国語サイトでは海外の学校向けに訪日教育旅行のメリットや日本の学校生活などを紹介。2025年度は新たにSTEM教育とSDGs教育関連ページを加えた。一方、日本語ページでは、日本の学校や自治体を対象に、受入れまでの流れや交流事例などを発信している。JNTOとしては、学校交流のマッチングに力を入れていく考えだ。

市場横断プロモーション部市場横断グループマネージャーの高橋歩氏によると、対面交流だけでなく、コロナ禍後でもオンライン交流を希望する学校も少なからずあるという。そのうえで、「国際相互理解という観点からだけでなく、将来の日本ファンを育てていくためにも、訪日教育旅行に力を入れていく」考えを示した。

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