ANAグループ連結決算2014、国際線拡大で旅客数720.8万人、増収増益達成で純利益は倍増

ANAホールディングスは平成27年3月期連結決算(平成26年4月1日〜平成27年3月31日)をまとめた。それによると、国際線の事業規模を拡大させた航空事業を中心に需要を確実に取り込んだ結果、売上高は前年同期比9.1%増の1兆7134億円となった。事業拡大に連動して燃油費などの営業費用も同7.8%増の1兆6219万円に増加したものの、営業利益は同38.7%増の915億円を計上。経常利益は同56.4%増の671億円、当期純利益も同107.8%増の392億円となり増収増益を達成した。

セグメント別で見ると、航空事業の売上高は前年の1兆3643億円を上回る1兆4846億円、営業利益も前年の653億円を上回る816億円となった。


国際線: 旅客数は13.8%増の720万8000人

旅客収入18.5%増の4683億円、利用率72.0%

国際線旅客では、長距離路線の需要が好調に推移したことや、中国・アジア路線を中心に旺盛な訪日需要を取り込んだことなどにより、旅客数・収入ともに前期を上回った。羽田空港発着枠の拡大に伴い、サマーダイヤから羽田/ロンドン・パリ・ミュンヘン・ハノイ・ジャカルタ・マニラ・バンクーバーの7路線を新規開設したほか、羽田/フランクフルト・シンガポール・バンコクの3路線を増便し、都心からのビジネス需要や日本各地との乗り継ぎ需要を取り込んだ。

また、成田ではサマーダイヤからデュッセルドルフ線を新規開設。運航ダイヤを調整し、北米/アジア間の国際線接続の利便性を向上させた。この結果、供給では座席キロベースで同19.4%増、需要では旅客キロベースで同16.4%増。旅客数は同13.8%増の720万8000人となり、旅客収入同18.5%増の4,683億円となった。利用率は前年の73.9%を下回る72.0%。


国内線: 旅客数は1.3%増の4320万3000人

旅客収入1.2%増の6833億円、利用率64.1%

国内線旅客では、7月に普通運賃等を改定したほか、各種割引運賃を柔軟に設定した。路線展開では、7月から伊丹・札幌/青森線を、ウィンターダイヤから羽田/中部線を新規開設したほか、羽田や伊丹発着路線を中心とした増便を実施。また、需要動向に応じて機動的に機材変更を行った。この結果、供給では座席キロベースで同1.4%減、需要では旅客キロベースで同1.9%増。旅客数は同1.3%増の4320万3000人、旅客収入は同1.2%増の6833億円となった。利用率は前年の62%を上回る64.1%。


▼その他事業:バニラエアなど旅客数は114.1万人、利用率80.3%

旅行事業は売上高下がるも取扱高は過去最高に

バニラ・エア(JW)を含むその他の航空事業の収入は同11.9%増の1659億円。JWは7月から成田/奄美大島線、11月から成田/香港線、今年2月から成田/高雄線を新規開設。スマートフォンで航空券の予約ができるようにしたほか、認知度向上のために他業種との共同キャンペーンを継続的に展開した。その結果、当期における旅客数は114万1000人、利用率は80.3%となった。

旅行事業では、国内旅行でダイナミックパッケージ商品の一部をANAじゃらんパックで取り扱い始めたことからから、売上高は前期を下回った。海外旅行では、羽田発着路線の拡大に伴い主力商品「ANAハローツアー」を拡充。訪日旅行では、台湾・香港などからの堅調な需要を取り込み、取扱高は過去最高となった。これにより、当期の売上高は同2.5%減の1690億円となったものの、コスト削減などに努めた結果、営業利益は同3.1%増の45億円に改善した。

平成28年3月期に向けては、収益基盤であるフルサービスキャリア事業で国内線では需給適合の強化により収益性を確保しつつ、国際線では首都圏デュアルハブモデルを進化させ、ネットワークのさらなる拡充を図るとともに海外における販売力を強化していく。連結業績としては、売上高1兆7900億円、営業利益1150億円、経常利益900億円、当期純利益520億円を見込む。

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