2016年度の航空関連予算は3845億円、羽田空港に重点、テロ対策の設備強化やドローン安全対策も

2015年12月24日、政府は2016年度(平成28年度)予算案を閣議決定した。航空局関係予算案は歳入/歳出で昨年度の3695億円を上回る3845億円を計上。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催やその先を見据えた首都圏空港の機能強化をはじめ、訪日外国人旅行者の受入環境整備を通じた地域活性化、航空保安対策の強化などを推進。また、非公共予算では、テロ対策として最新式のボディスキャナー導入のほか、無人航空機(ドローン)の安全対策なども進めていく。

昨年度からの増額が顕著なのは、羽田空港の整備費。昨年度292億円の約1.7倍にあたる498億円が計上された。また、中部空港は昨年度の4倍にあたる12億円を設定。成田空港は昨年度より5億円増の49億円、関西空港・伊丹空港は昨年度と同額の83億円となった。


首都圏空港の機能強化

首都圏空港では、2020年までに羽田・成田両空港の空港処理能力を8万回拡大することに取り組む計画を設定。その目標に沿った取り組みが中心となる。

羽田空港の2016年度予算498億円(昨年度292億円)では、夜間駐機場や国際・国内の乗継ぎ経路の拡充に加え、首都圏直下型地震発生時も航空ネットワーク機能の低下を最小化する取り組みを実施。同時に、老朽化対策として、更新・改良も進めていく。

成田空港は49億円(昨年度44億円)を設定、震災発生時の対策強化や耐震対策を進めるほか、CIQ(Customs:税関、Immigration:入管、Quarantine:検疫)エリアを中心に、ターミナルビル全体の利便性向上に向けた調査をおこなう。


訪日外国人旅行者の受入環境整備等による地域の活性化

関西空港・伊丹空港は83億円を計上(昨年度同額)、老朽化が進む航空保安施設の対策を行う。またインバウンド受け入れ強化策として、関西空港ではCIQ施設の充実・整備を進める。

中部空港では12億円(昨年度3億円)を計上し、駐機場をはじめとした空港機能充実に加え、地域と連携を行いリニア中央新幹線開業による航空需要の変化を視野に置いた調査も実施する。

一般空港の予算額は819億円(昨年度743億円)。那覇空港での滑走路増設事業を継続するほか、福岡空港では空港経営改革(コンセッションなど)を進めることで、適切な財源を確保する取り組みを引き続き実施。両空港に新千歳空港を加えた3空港ではターミナル地域再編事業を進め、空港の利便性向上や慢性的な遅延緩和などに取り組むとしている。

空港路整備では319億円を計上(昨年度270億円)、統合管制情報処理システム整備などの事業を行う。また、離島航空事業助成も昨年度の53億円から64億円に増額された。


航空の安全・安心の確保

航空保安対策には昨年度と同額の80億円を割り当て、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや国際テロに向けた喫緊の課題として、非接触で人体表面の異物を検出できる最新型のボディスキャナー導入を計画。2016年度は羽田・成田・関西・中部の4空港に導入する見通しだ。

また、保安対策予算のうち無人航空機(ドローン)の安全対策として新たに1000万円を充当。2015年12月の改正航空法施行による安全ルール導入に加え、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」を通じて、安全確保と活用の両側面から検討を実施していく。


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