もうすぐやってくる「Web 4.0」時代、デジタルエージェントは何をしてくれるのか?

すべての情報が自己認識能力を持つ大きな場所に集結し、あらゆる問題解決をしてくれる――。 この記事のテーマ「Web 4.0」とは、そんな世界観を示す言葉だ。

Web 4.0 の手にかかれば、世界平和の問題から海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の次のシーズン内容にいたる疑問まで、すべて解決できるようになるかもしれない。(この定義は、2006年、当時インテル社にいたJeff Moriarty氏によって示されたもの。ただし、当時は「ゲーム・オブ・スローンズ」ではなく「ロスト」に言及する内容となっていた)

デジタルマーケターや未来派志向の人、先進主義者の人々はみな、もうすぐやってくるWeb 4.0 時代の話で持ち切りだ。

本題に移る前にまず、これまでインターネットの世界で起こったことを振り返ってみよう。


Web 1.0

: 一方通行のウェブ

Web 1.0 の時代は、1989年から2005年まで続いた。始まりは、ティム・バーナーズ=リー氏が、リードオンリー(一方的に読むだけ)の仕組みとして「ウェブ」を考案したことだった。Web 1.0 の特徴は、「ユーザーによる検索」がすべてだということ。例えば、1990年代の「Yahoo!」の姿を思い出してほしい。この時点では、ウェブの役割はとても受動的だったといえるだろう。


Web 2.0

: ソーシャルコミュニティの登場、そして炸裂

「Web 2.0」は、1.0に続く第二世代のウェブの世界観だ。この頃からウェブは読むだけのものではなくなり、双方向的に「ユーザーが読んだり書いたりするもの」になった。

ネット上にコミュニティが登場し、グループや個人間に社会的インタラクションが発生し、ユーザー自身がコンテンツを作ることも可能となった。ソーシャルメディア、ブログ、「レディット(Reddit)」のような掲示板型のニュースサイト、ウィキペディア、ツイッターといったプラットフォームはすべて、この Web 2.0 時代に次々と登場したものだ。


Web 3.0

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没入

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できる仮想ウェブ

Web 3.0 はごく最近の現象だ。私たちは今まさに、この時代の終わりにいる。未来派志向の人やデジタル分野のパイオニアたちは、Web 3.0 のことを「3Dウェブ」や「セマンティックウェブ」の時代と称することもある。

3.0 のフェーズでは、すべての人やモノがネット上に行動履歴(デジタルフットプリント)」を残せるようになった。例えば自宅にあるエアコンにも「活動履歴」が残っているかもしれない。

そしてWeb 3.0 は、仮想現実(バーチャルリアリティ、VR)や360度方位のビデオ映像、リアルタイムのストリーミングビデオ、「スナップチャット(写真を一度見ると自動的に消えてしまうアプリ)」のような素晴らしい技術革新への道筋を作った世代でもある。


Web 4.0

: "超"インテリジェントエージェント

「Web 4.0」の原動力になっているのは、人と機械のインタラクションだ。いまはまだWeb 3.0 のさなかにあるが、4.0 の時代はもうすぐそこに見えていて、しかも高速で近づいてきている。フェイスブックは先日、チャット上に「エージェントM」という人工知能機能を搭載した。読者の中には、話しかけるだけで答えてくれる「Siri」に馴染んでいる人も多いはずだ。

こういった技術や仕組みは、日々洗練されて"スマート"になり、すでに単なる「ウェブ」とは違うものになっている。自動車や住宅のシステムは急速に進化をとげていて、たとえば運転手なしで走行可能な車も、いまや想像上のものではない。そう、すでに私たちは 4.0 時代に足を踏み入れているわけだ。

未来学者のダニエル・ブルス氏は、誰もが自分のエージェントにお好みのパーソナリティを設定できるようになると語る。たとえば、あなたのエージェントが以下のように話しかけてくるというのはどうだろう?


おはようございます。今日はボストンに飛ぶ予定ですね。現地は雨ですのでレインコートを持っていってくださいね。

ところで、あなたが予約したフライトはすでに運航停止になっています。でも、大丈夫ですのでご心配なく。機材のトラブルだったようです。私が新しいチケットを予約しておきました。空港に向かう道中で、その件についてご説明します。

そういえばあなたは、毎日エクスサイズをすることに決めたとおっしゃっていましたよね。私がここにいるのは、それを思い出していただくためなんですよ。

それでもあなたは、「今日はエクスサイズをしたくなるかどうか、まだはっきりしないなぁ」なんておっしゃるかもしれませんね。…であれば、あなたのヌード写真をお見せしましょう。それを見ればきっと「オッケー、今日もエクスサイズをするつもりだよ!」とおっしゃるに違いありません。


 

Web 4.0 とは、人々がウェブとコミュニケーションをとることを邪魔するものではなく、ウェブとの付き合い方や認知しかたを変えるものといえるだろう。

ひとつ確かなのは、そんなエキサイティングな時代がもう目の前まで来ているということ。読者のみなさんはもう、新しい時代を迎える用意はできているだろうか。

※この記事は、世界的な観光産業向けニュースメディア「トヌーズ(tnooz」に掲載された英文記事を、同編集部から許諾を得て翻訳・編集しました(トラベルボイス編集部)。

オリジナル記事: Web 4.0 is coming – electronic agents will have an answer to everything (Jan 22. 2016

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