米国発着の国際線でパソコンの機内持ち込み禁止の可能性、米ケリー長官は否定せず

米国土安全保障省のジョン・ケリー長官は米国時間2017年5月28日、ノートパソコンなど電子機器の機内座席への持ち込み禁止規制について、米国発着の全国際線を対象にする可能性があることを明らかにした。日曜日に放映された米テレビ番組の中で、ケリー長官が発言したもの。

パソコンの機内座席への持ち込み禁止規制は、今年3月、米政府がテロ対策を理由に、中東など10都市の路線を対象に導入。現在の対象便は1日50便ほどだが、対象が全国際線へと拡大された場合のインパクトは甚大だ。

この規制は、ノートPCやタブレットなど、スマートフォンよりも大きいサイズの電子機器すべてが対象。これらを携行している旅行者は、手荷物に入れて機内に持ち込むことを禁じられ、大きなスーツケースなどと一緒に、チェックイン時に航空会社に預けることが義務付けられている。

AP通信によれば、ケリー長官は、テレビ番組「フォックス・ニュース・サンデー」の中で、「同規制を米国発着のすべての国際線へと拡大するか?」との質問に対し、「拡大するかもしれない(I might)」と答えた。

現在の規制対象路線は、アンマン(ヨルダン)、クウェートシティ(クウェート)、カイロ(エジプト)、イスタンブール(トルコ)、ジェッダとリヤド(サウジアラビア)、カサブランカ(モロッコ)ドーハ(カタール)、デュバイとアブダビ(アラブ首長国連邦)の各都市から米国への直行便。いずれも米国系ではない航空会社の路線となっている。

先ごろ、同規制の対象をEU路線にも拡大する案も浮上し、EUと米当局が会合を持ったばかり。米当局関係者によると、こうした規制は、具体的なリスク情報への対応策ではなく、航空機をターゲットにしたテロ活動に備えることが狙い。

ケリー長官は「航空セキュリティは現行レベルより、もっとずっと強化する必要がある。新しいテクノロジーを活用する計画もあり、そう遠くない将来に実現できる。ただ、(テロリストが仕掛ける)脅威の内容も、非常に精巧になっているので、今後の動向を見ながら考えていく」と話した。

なおトランプ政権の新年度予算案では、今年10月からの米空港セキュリティ・プログラム予算金額は、大幅にカットされている。

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