アメリカン航空本社幹部らが来日、米国からの訪日客増で羽田線の拡大に意欲、ダラスやシカゴが候補に

(左から)アジア太平洋地区副社長のホッジス氏、アライアンス&パートナーシップ担当副社長のモーハン氏、国際線旅客兼貨物担当上席副社長のバトラー氏、社長のアイソム氏、会長兼CEOのパーカー氏、ネットワーク戦略担当上席副社長のメイ氏

アメリカン航空の会長兼CEOのダグ・パーカー氏ら幹部が、このほど来日し、記者会見で同社の取り組みや今後の戦略について説明した。パーカー氏は、2020年に向けて拡大する羽田空港発着枠について触れ、「少なくとも2枠は欲しい。獲得できれば、ダラスやシカゴの可能性が高いのではないか」と話し、羽田線拡大に高い関心を示した。現在のところ、アメリカン航空の羽田便はロサンゼルス線のみ。

パーカーCEOは、日米路線について「今後、米国からの訪日旅行者は増えていくだろう。そのニーズに応えるために機材やプロダクトを刷新していく」ことを説明し、強化していく方針を明かした。同アジア太平洋地区副社長のシェーン・ホッジス氏によると、訪日旅行者専門の販売チームを立ち上げ、マーケティング予算を増やしているところだという。

同航空社長のロバート・アイソム氏は機材更新について説明。2020年に向けて日米路線のキャパシティーを拡大していきたいと話すとともに、B787-8/-9の投入も進め、プレミアムエコノミークラスをすべてのフライトで展開し、他社と差別化を図っていく考えを示した。すでに成田/ロサンゼルス線では昨年夏からプレミアムエコノミークラス搭載のB787-9を運航している。

アメリカン航空はUSエアウェイズとの合併後2017年末までに、496機を新規導入。同時に469機を引退させた。今後、2020年までに新たに46機、2020以降に111機を導入する計画だ。

また、パーカー氏は日本航空(JAL)との太平洋路線の共同運航(PJB)について、その実績を高く評価。今年4月にはJALの経営陣は交代するが、「JALとのパートナーシップをさらに深化させていきたい」と期待を寄せた。両社はPJBのもと、売上やコストの共有、ネットワークやスケジュールの連携、共同運航などのほかに、スタッフ教育やプロダクト開発でも協力。今年3月にはJALと同様に日本料理「くろぎ」の黒木純氏が考案・監修した和食を羽田・成田発ビジネスクラスで提供を開始した。

アメリカン航空の事業について説明するパーカー会長兼CEO

さらに、同航空アライアンス&パートナーシップ担当副社長のジョー・モーハン氏は、ネットワーク戦略の観点から、「JALは東南アジアの旅客需要獲得でも大きな存在」とPJBの効果を強調した。

ホッジス氏は国際航空運送協会(IATA)が進める新たな流通規格NDC(New Distribution Capability)についても説明。NDCとは、航空券販売の変化に対応するために従来型の予約・発券・決済などに加えて、様々なサービスを個別販売を行うなどを目指した通信規格。「アジア太平洋では、今のところそれほど普及していないのが現状だが、今後は強化をしていきたい」と話し、東京オフィスに専属の担当者を置いたことも明らかにした。また、NDCのメリットについて、付帯サービスなどをパッケージ化した運賃(ブランデッド・フェア)を展開しやすくなることのほか、旅客の現在地が特定できるため、旅行の安全性にも貢献できるとした。

パーカー氏は、このほか中国に対する通商法301条の発動など米トランプ政権が進める保護主義的な経済政策についてもコメント。「これが航空業界にどれほどのインパクトがあるのか現時点では分からない。航空会社としては、自由貿易が盛んになることを望んでいる」との見解を示した。アメリカン航空は現在、中国南方航空とのパートナーシップも強化し、米中路線および中国国内路線との接続を拡大していく戦略を進めている。

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