観光庁、「Trip.com問題」で中国OTAシートリップ日本に立入り検査、消費者にオンライン取引きの啓蒙強化へ

観光庁は、オンライン旅行販売サイト「Trip.com(トリップドットコム)」が客室在庫がない宿泊予約の「空販売」問題で、2018年12月4日、同社の親会社である中国大手OTAシートリップ(Ctrip)の日本法人、第1種旅行業登録を行なっているシートリップ・ジャパン(Ctrip Japan)に立ち入り検査を行なった。

この問題は、Trip.comが契約する販売業者が、すでに満室となっている宿泊施設を「在庫あり」と同サイト上に掲載し、通常より高値の設定で予約を受け付けていたもの。予約はリクエストベースになるが、「事前払い・返金不可」と表示して該当の宿泊料金を預かっていたもの。そのため消費者は宿泊料金を支払い、予約が確定したと認識するが、実際はキャンセル待ち状態で、その後に客室が確保されない場合は該当の宿泊ができないことになる。

観光庁・旅行振興室によると、立ち入り検査によって、日本で展開するTrip.comサイトの運営はTrip.comの中国本社が行なっており、シートリップ・ジャパンは仕入れに全く関与していないことが判明。旅行業法は登録を行なった事業者が対象になるため、観光庁は直接、指導監督できる立場でないとし、その管理責任の追及などを含め、これ以上踏み込むことができないと話している。

一方で、観光庁では旅行のオンライン販売の増加に伴って策定した「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン(OTAガイドライン)」に沿って日本での事業活動の際には日本の法を遵守するよう、シートリップ・ジャパン側に伝えた。とはいえ、この内容を実際に運営している中国本社にどのように伝えるかについても、検討している。

今回の事態をうけて観光庁では、消費者側にもオンライン取引に対するさらなる啓蒙活動が必要と判断。OTAガイドライン策定時に消費者様に作成した同ガイドラインの告知用のチラシを活用しながら、注意喚起と同時に消費者のオンライン販売利用に関するリテラシーの向上にも努めていく考えだ。

なお、同問題に関しては、高級旅館をターゲットにした販売が主で、なかにはTrip.comと直接契約のない施設が含まれていたケースもあった。宿泊施設の組合組織も観光庁を訪問し、現状を訴えて再発防止に向けた相談と意見交換を行なったという。

また、Trip.com japanは2018年12月6日付で、同サイトに今回の問題に対する文章を発表。利用者や取引先等関係者に対するお詫びと同時に、事態の内容について説明している。

※追記:


観光庁は2018年12月6日、ウェブサイトにて「海外OTAを利用する際はご注意ください!」と題する注意喚起情報を発出。消費者に対して海外OTAを利用する際の確認事項を提示するとともに、確認ポイントをチェックシート方式で記載した啓発チラシを公表している。

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