観光産業の春闘方針2019、サービス連合が発表、0.5%賃金改善で「35歳550万円」目標継続

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は、2019年1月23日開催の中央委員会で決定した2019年の春期生活闘争(春闘)の方針を発表した。サービス連合では2014年以来、賃上げにこだわる要求を行なってきたが、今年も中期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現に向け、すべての加盟組合で0.5%以上の実質的な賃金改善を目指す取り組みを推進する。

会長の後藤常康氏は、0.5%の賃上げ目標に対して「他の団体や産業別組合等の目標より低いと思われるかもしれないが全加盟組合が取り組める数字」であることを強調。「6割強の組合が、何らかの賃上げに成功している」と述べ、「これまでのこの歩みを、2019年春闘にもつなげたい」と継続して取り組む意義を説明した。

2018年の35歳の年収試算(サービス連合加盟組合対象の調査)は、ホテル・レジャー業では435万円程度で、2017年より35万円の増加傾向。ツーリズム・航空貨物業は502万円程度で、12万円の減少傾向だという。

年収水準の向上に取り組むためにも、一時金では従来通り、賃金目標の実現に向けた「指標」を活用した主体的な取り組みを実施。「指標」を活用しない組合では年間4か月相当、年間4か月を確保している組合は前年実績以上を要求していく。

また、4月の労働基準法など、今後順次、労働関連の改正法が施行され、「働き方改革元年」といわれる今年は、これまでも推進してきた非正規労働者の労働環境向上の取り組みについても改めて、春闘方針に明記。また、今年4月の外国人労働者の受け入れを拡大する改正入国管理法で、対象職種に「宿泊業」が含まれたことを踏まえ、後藤氏は「日本人、外国人関わらず労働環境を整えなければ、就労先として観光産業が選ばれなくなる危機感を持っている。産業で働くすべての人に良い影響が出る闘争にしたい」とも言及。来年には「同一労働同一賃金」がスタートすることを視野に、これまで以上に一緒に働く仲間として賃上げや待遇改善に向けて全力で取り組む方針を語った。

あわせて今後、労働関連法の改正に伴い、「労使協議等ではこれまで以上に過半数労働組合であることが重要」とし、未組織労働者の組織化にもさらに注力する。

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