ユニゾHD、HISによる株式公開買付けに「反対」意見を表明、「企業価値の毀損の恐れ」など5つの理由で

ユニゾホールディングスは2019年8月6日、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)による株式の公開買付け(TOB)に関して「反対」の意見を表明した。

HISは2019年7月10日にユニゾHDに対する公開買付けの実施を発表。その後、ユニゾはTOBの目的やその後の提携内容、シナジーの有無、価格の根拠などが明確でないとして、同23日に意見表明を「留保」すると発表。同30日、HISに提出した質問状に対する回答を得ていた。

新たに発表した文書の中で、ユニゾHDは「反対」意見の根拠を解説。(1)業務提携によるシナジーの創出は期待できない、(2)ユニゾの企業価値を毀損するおそれがある、(3)公開買付価格が不十分、(4)今回のTOBは強圧的手法であり、一般株主に対しHISによる経営リスクを負わせる、(5)HISとの間で信頼関係がない、との5つの理由を提示した。合わせて、「ユニゾ側の不動産事業の価値を毀損する恐れがある」「ホテル事業においてシナジーをもたらさず、かえって逆効果になる懸念がある」といった具体的な内容を挙げ、ユニゾの企業価値と株主の共同利益の毀損につながる恐れがあると判断し、反対意見を表明するに至ったと説明している。

同文書を通じ、ユニゾHDは「本公開買付けに応募されないようお願い申し上げますと共に、既に応募された株主の皆様におかれましては、速やかに本公開買付けに係る契約の解除を行って頂きますよう、お願い申し上げます」と呼びかけている。

一方のHISはこの反対意見表明を受け、「意義を理解いただけず、ご賛同いただけなかったことについて、誠に遺憾」との書面を発表。引き続き公開買付を実施することで、両社の成長をもたらすことを確信している、との期待を表明している。

ユニゾHD「株式会社エイチ・アイ・エスによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(反対)の概要」(PDFファイル、11ページ)

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