KNT-CTホールディングス連結決算、2019年度通期は大きく損失計上、国内、海外とも売上高減、新型コロナが直撃

KNT-CTホールディングスが発表した2020年3月期連結決算(2019年4月1日~2020年3月31日)は、売上高が前年同期比6.4%減の3853億6200万円と減収となり、損益では16億800万円の営業損失、14億1500万円の経常損失を計上。当期純利益も前年度の5億4500万円から74億4300万円の損失に大きく落ち込んだ。

ただ、徹底して販管費の削減、為替変動に伴う為替差損の減少のほか、固定資産の減損損失が想定していたよりも縮小したこともあり、営業損失、経常損失および当期純損失は前回3月24日の発表予想から改善した。

通期の概況としては、改元に伴うゴールデンウイークの連休長期化の特需に恵まれたが、後半には台風19号ならびに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内、海外旅行のキャンセルや出控えが相次ぎ、さらに訪日旅行者が激減した。

国内旅行では、個人旅行で地域の貴重な催しを掘り起こすツアー、旬のツアーを数多く実施。団体旅行では、引き続き国際会議や企業イベントの運営などMICEの受注拡大に努めたほか、スポーツ団体の合宿や自治体のイベント関連業務の受注に努めたものの、売上高は同8.7%減の2121億3100万円となった。

海外旅行は、テレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」ゆかりの地のイタリアを訪ねるツアーを実施したほか、シニア女性を対象とする「大人のプチ留学体験ツアー」や、参加者が合唱団を組み世界最高峰のステージ「ザルツブルク音楽祭」で合唱するツアーを催行するなど、独自性・テーマ性に富んだ旅行をさらに充実させた。しかし、売上高は同7.7%減の1499億4400万円に終わった。

訪日旅行で「G20大阪サミット2019」や「ラグビーワールドカップ2019日本大会」関係者の宿泊・輸送関係業務を取り扱ったほか、地域交流事業では、国宝「彦根城」や「麒麟がくる 大河ドラマ館」の運営管理業務を受託した。こうした取り組みによって、その他事業の売上高は同35.8%増の232億8600万円となった。

このほか、引き続き近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの一体化を推進。ウェブ販売では、近畿日本ツーリストとクラブツーリズム共同の特集ページを拡充し、近畿日本ツーリストのウェブサイトでクラブツーリズム商品を直接選択して購入できるようにするなど、両サイトの一体化をさらに進めた。

なお、KNT-CTホールディングスは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い緊急事態宣言が発出されたことから、株主優待券の有効期限の延長を決めた。2019年12月に送付された株主優待券は2020年6月末日まで、2020年6月送付予定の株主優待券は2020年12月末日まで、それぞれ有効期限を延長する。

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