老舗旅館・加賀屋の分煙への取り組み、若女将が語った改正健康増進法への対応とは?(PR)

石川県・能登半島の七尾湾を臨む老舗旅館・加賀屋は、その114年の歴史において、宿泊客への満足を徹底して追求してきたことで知られる。決して交通の便が良いとは言えない和倉温泉。そこまで足を運んだ旅行者に感動を与えるために、ソフト面もハード面も進化させてきた。

その中で、今回は分煙について語った。加賀屋は10年ほど前から分煙に取り組み、館内の4カ所に喫煙室を設け、客室は35%を禁煙に。そして今年4月には、それらの喫煙室を改修・新設した。

常備するたばこの銘柄は50以上。そこになければ、街中を探し回ってお客様のご希望にお応えする。それが「おもてなしの加賀屋」たる所以である。

その加賀屋が目指した「心からリラックスできる場所」としての分煙への取り組みを語った。

出会いの場だからこそ、快適で、温かく、特別に

「以前のこの場所を知っている方は驚かれると思います」と、誕生したばかりの喫煙専用室について若女将の小田絵里香さんは話す。電子音が響くゲームセンターだったところを改装し、ダウンライトが九谷焼を照らす、しっとりとした空間に生まれ変わらせた。45㎡の床面積には11席分のソファがゆったりと並ぶ。さらには花も生けられて、サロンと呼ぶのがふさわしい。

客室棟「雪月花」に新設された喫煙専用室は、落ち着いた空間に、石川県の伝統工芸品である九谷焼や、金箔の屏風を思わせる柱が浮かび上がる。皮張りのソファや重厚な床タイルなど、加賀屋では珍しい洋風のテイストを取り入れた。

客室棟「雪月花」に新設された喫煙専用室に佇む若女将

ここまで力を入れた理由について若女将は、「〝コトをこなす場所〞ではなく、〝ときを過ごす場所〞だと思っておりますので」と言う。これまで、たばこを介して会話が弾む光景を幾度となく目にしてきた。

「全国からお越しいただいたお客様同士がここで出会い、リラックスされて思い出が増えていく。そして、お仕事やプライベートも充実される。そのような場所をめざして、加賀屋が大切にする〝快適性・温かみ・特別感〞を喫煙専用室にも求めました」。

今回、加賀屋が喫煙専用室を新設した背景には、4月に全面施行された改正健康増進法がある。旅館・ホテルの場合、客室での喫煙は認められるものの、宴会場やロビーといった公共のスペースは禁煙に。そして、煙が外に漏れないための喫煙専用室の基準も定められた。「〝毎秒0.2メートル以上の空気の流れをつくる〞と言われても、私たちにはどうして良いものやら。また、新しい標識も必要でした。そこで半年ほど前に、日本たばこ産業さんにコンサルティングをお願いしました」。

新設した喫煙専用室の入口風速は毎秒0.2メートル以上に確保されている。引き戸は格子扉となっており、若女将は、「私、扉はぴったり閉まっている方が良いと思っていたんですよ。まったく逆でしたね」とほほ笑む。扉が格子になっているのは、外の空気を取り入れ喫煙専用室の中に煙を滞留させないためであり、風速が担保されていれば外部に煙が出ることはない。

毎秒0.2メートル以上の風速を保ち、格子戸から外気を取り入れる

喫煙専用室を新たに設けて、宴会場を完全禁煙に

今回の改修・新設は、バックステージである社員食堂でも行った。「食堂に隣接する部屋を整理して喫煙専用室にしたら、〝これで堂々と吸える〞と喜ばれました。スタッフがコミュニケーションを取る大切な場所ですから、吸う人も吸わない人も、お互いに気持ち良く使えるようになって良かったです」と若女将。一方、宴会場の分煙では、気心の知れたお客様から「4 月から?! またどうして?! 」と驚きの声も出た。

「〝ノーと言わない〞のが加賀屋です。これまで宴会の席に灰皿をご用意してきたお客様に、禁煙を伝えるのは心苦しかったです」。しかし、「法律で定められたことなんです。代わりに宴会場の近くに喫煙専用室を設けますから」と丁寧に説明を重ねるうちに、お客様の方も、「うちの会社は大丈夫なのか?」と我がコト化されたと言う。

「加賀屋が動いたことで、何かを感じていただけた方は多いと思います。LINEの若女将グループでも、〝加賀屋さんはどうされています?〞と、改正健康増進法に対する質問が多数寄せられました」。

改正健康増進法では標識の掲示を義務付けていて、喫煙専用室の用途などに応じて16種類を使い分ける。すべての標識を新しく制作・設置した

気持ち良く、次の灰を落としていただくために

加賀屋の業務マニュアルには、「吸殻が3本になれば、懐紙を添えて灰皿を交換する」という旨が書かれている。そこにあるのは、「気持ち良く、次の灰を落としていただきたい」という願いだ。

若女将は言う。「私たちは、〝加賀屋の仕事は食事を出す・布団を敷くだけではない〞と肝に命じています。お客様はなぜ、はるばる和倉温泉まで足を運ばれたのでしょう?なぜ、わざわざ加賀屋を選んでくださったのでしょう? そこにある、さまざまな理由・人生に想いを馳せれば、加賀屋の誰もが、お客様の願いを叶えることに一所懸命になります」

加賀屋のおもてなしは、時代とともに変わっていく。そのための追及は尽きない。

「能登本陣」の喫煙専用室は風の流れを強化して、扉の仕様も変更

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TEL:0767-62-1111(担当者 営業企画課)

Email:reserve@kagaya.co.jp

Tel:0767-62-1116

記事:トラベルボイス企画部、REGION

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