Jリーグ「松本山雅FC」、観光で地域創生を、対戦相手サポーター向けツアーなどで地域ファンづくり、関係人口の創出へ

長野県松本市をホームタウンとするJリーグ松本山雅FCは、2021年シーズン、観光、農業、教育を3本柱とした地域創生に力を入れていく。クラブの基本方針として「地域と共に」を掲げる松本山雅FCは、地元コミュニティとの関係性を強めるホームタウン活動に積極的に取り組んでおり、2020年に実施した活動は649回に及んだ。2021年もその方向性をさらに強化していく。

松本山雅FC社長の神田文之氏は、2021年シーズンに向けた新体制発表会で、地域との取り組みについて、「山雅が目指すのは地域のハブになること。さまざまな事業を通じて、利益を生み、それを地域に還元していくサイクルがチームを強くしていく」と説明した。

2021年シーズンの体制について説明する神田社長

対戦相手のサポーターをもてなし、呉越同舟の交流も

3本柱のうちの観光について、松本山雅FCは、2019年からホームゲームで対戦相手のサポーターをもてなす「松本山雅ジャーニー」という企画を始めた。サッカー観戦をきっかけに、アウェイサポーターに地域に触れてもらうことが目的。2019年はFC東京戦で実施し、参加者向けに農業体験施設でのテント泊、地元産野菜を使ったピザ作り、地元農家とのBBQイベントなどを組み込んだツアーを提供した。FC東京だけでなく、松本山雅FCのサポーターも参加。呉越同舟の交流を深めたという。

2020年はコロナ禍のため、域内の参加者に向けて、屋外ヨガ、地元レストランでの屋外ディナーなどを実施。地元産枝豆「あやみどり」を使ったハンバーガー作りなど、地元が地元を知る機会を提供した。

松本山雅FCは、遊休農地の活用と農業の人材不足という地域課題の解決のひとつとして、2008年からこの枝豆の生産にも乗り出しており、今春には新しいブランド「あやまる」として売り出すとともに、「あやまる」を使った食を商品化、地域外にも発信していく計画だ。

「観光を含めた3つの柱を進めていくために、地域パートナーの開拓を強化していく」と神田氏。観光については、地元企業との協力で体験コンテンツを開発し、松本山雅ジャーニーを通じて地域の魅力を広めていく方針。名所だけでなく他の地域の魅力に触れてもらうことで、地域との関係人口を増やしていくことを目指す。

また、松本山雅ジャーニーから生まれた発想として、今シーズン「二推しに山雅」プロジェクトも立ち上げる。これは、自分が応援するチームの次に松本山雅のサポーターになってもらうという活動。神田氏は「松本という地域を少しでも特別な存在として感じてもらえる人を増やす」と説明。第2のサポーターになってもらうことで、サッカーファンから地域ファンへと裾野を広げていきたい考えを示した。

松本山雅が目指すサイクル(報道資料より)このほか、ホームゲームへの集客にも力を入れる。コロナ禍で入場者数の制限が続く中、感染防止対策を徹底したうえでアルウィン・スタジアムで「YamaGarden Fun Park」を開き、エンターテイメント性を高めていく。狙いは、コロナ禍で減少しているファミリー層の回復だ。

さらに、送金アプリ「pring」を活用した「山雅pay by pring」をローンチ。スタジアムだけでなく、地域の商店でも使える地域通貨を展開していく。決済額の一部を松本山雅FCの強化費として支援するほか、ポイント還元など地域に根差した施策を実施することで、新しい地域経済の流れを生みだし、地域活性化を実現していきたい考えだ。

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