新たな航空業界団体「空港グランドハンドリング協会」設立、最大の過大は「人材確保」、カスハラ対策やイノベーション推進も

航空業界の新たな業界団体として「空港グランドハンドリング協会(AGHA)」が設立された。初代代表理事・会長にはANAエアポートサービス社長の小山田亜希子氏が就任。まずグランドハンドリング事業者50社が参画する。グランドハンドリング事業者が業界団体を立ち上げるのはこれが初めて。

空港における地上業務を行うグランドハンドリングの団体は、航空局の「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」の委員として活動をしてきたグランドハンドリング連絡会から発展したもの。検討会で取りまとめられた「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を踏まえて、グランドハンドリング業界の発展を目指す。

小山田氏は設立会見で「航空事業と区分けした形でこの協会が設立されたことは歴史的なこと。これまで競合関係にあった各グランドハンドリング事業者が手を取り合って、共通課題を解決し、日本経済の発展に貢献していく」と協会設立の意義を説明した。

協会設立の背景には、コロナ禍で空港グランドハンドリングを取り巻く環境が大きく変化してきたことにある。コロナ前、インバウンド需要の拡大に伴い、各事業者は機能強化を進めてきたが、コロナ禍で激変。昨年秋の水際対策緩和の際には、「空港グランドハンドリング業務が立ち上がれない状況になっていた」(同協会執行理事の横山律幹氏)。

最大の課題は人材確保。小山田氏は「個社で取り組むことは難しい」との認識を示したうえで、「業界をあげて、業界の魅力を初進し、認知度を上げていく必要がある。また、人材維持のためには、従業員の賃金や労働環境の見直しも必要となってくる」と話した。

(左から)横山執行理事、小山田会長、曽原執行理事共通課題としてカスハラ対策やイノベーション推進も

協会の事業計画では、基本方針として2つの柱を掲げた。まず、持続的な発展に向けて、業界の共通課題を抽出し、情報・意見交換を通じて、解決に向けて取り組む。協会では、その活動として、空港業務における基礎的なデータの収集・分析、男女比の偏りの解消、資格や車両仕様など関するルールの整備、カスタマーハラスメント対策、労使間対話などを挙げている。

また、生産性の向上では、人材確保と並行して、「無人化・省人化などのイノベーションも進め、働く人はより付加価値の高い業務に従事させていく」(同協会執行理事の曽原倫太郎氏)。

2つ目が、協会の安定的な運営に向けた組織基盤を構築していくこと。全国におよそ400社あるグランドハンドリング事業者のに参画を呼びかけ、活動基盤を強化していき、他の業界団体と意見交換をしながら、そのポジションを高めていく。

国も、インバウンド需要が急速に回復しているなか、空港グランドハンドリングの現状に危機感を抱いており、航空局は2024年度概算要求のなかで、「航空・空港関係事業者の人材確保・育成等の取組を推進するとともに、空港における受入環境高度化等に対して支援する」と明記。空港受入環境整備等の推進として、前年度予算の3.8倍に当たる10.7億円を要求している。

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