欧州の航空燃料が危機水準、在庫が「23日分」割れの見通し、和平合意でも数カ月間は危機的状況は継続

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写真:Fortune(ロイター通信)

ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の最新調査レポートによると、欧州の民間航空燃料(ジェット燃料)在庫が、2024年6月中に国際エネルギー機関(IEA)が定める供給危機のしきい値である「23日分」を下回る見通しだ。

イランでの戦争に伴うホルムズ海峡の封鎖により、原油および燃料の供給が世界的に不足していることが主な原因。欧州の在庫水準は7月には20日分、8月には15日分まで減少する可能性があり、小規模空港の閉鎖や、さらなる航空便の欠航、燃料配給制の導入といった深刻な事態が予測されている。

ライスタッド・エナジー(Rystad Energy)の首席エコノミスト、クラウディオ・ガリンベルティ氏は、欧州の主要拠点であるアムステルダム、ロッテルダム、アントワープにおける在庫が、2月末の紛争開始以来、50%減少したと指摘する。欧州の製油所は航空燃料の生産比率を従来の10%から最大13%まで引き上げる「マックス・ジェット」体制で対応しているが、供給不足を完全に回避するには不十分な状況だ。

すでに航空業界への影響は顕著であり、ルフトハンザ航空が10月までに2万便の欠航を発表したほか、航空運賃は前年比で20%以上高騰している。米国でも、政府支援の交渉が決裂したスピリット航空が操業を停止しており、燃料価格が1バレル150ドルを超え続ける場合、他の格安航空会社も経営破綻の危機に瀕する。この供給危機は欧州にとどまらず、南アフリカ、インド、東南アジア諸国、台湾など広範囲に及んでいる。中東で早期に和平が合意されたとしても、サプライチェーンのボトルネックにより、数ヶ月間は危機的状況が継続すると分析されている。

※ユーロ円換算は1ユーロ187円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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