日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は、2026年1月7日、都内ホテルで旅行業界の関係者が集う新年会を開催した。会場には会員企業、旅行各社、世界53カ国・地域の駐日大使館・政府観光局の関係者らが一堂に会し、2026年の観光市場の展望と課題を共有した。
冒頭で挨拶にたったOTOA会長の大畑貴彦氏(写真)は、海外旅行の動向について、需要が回復基調にあり2025年は2024年と比較しても各月ともに増加傾向となっているものの、2019年比では約20%減と「回復は道半ばの状況」であるとした。そして、「インバウンドとアウトバウンドが両輪でバランスよく発展していくことが重要」であることを改めて強調した。
また、2025年は観光庁に「旅行振興担当参事官」が2023年以来の復活を遂げた点に言及。国内旅行の活性化や需要喚起に加え、慢性的な課題となっている観光人材の確保・育成を強力に推進する体制が整ったことに対し、業界としての大きな期待を表明した。
観光立国推進基本計画の柱のひとつに「アウトバウンド拡大」
来賓として登壇した観光庁の田中賢二審議官は、2025年の訪日外国人旅行者数が過去最多を更新した一方で、アウトバウンドも11月までの累計で前年を上回る1343万人に達したと振り返った。その上で、アウトバウンドの促進は日本人の国際感覚の向上や国際相互理解の増進などの観点から「極めて重要」との考えを示した。
そして、2026年3月に策定される新たな観光立国推進基本計画では、柱のひとつに「国内交流およびアウトバウンドの拡大」を据える方向で検討が進んでいる状況を明かした。2026年度(令和8年度)予算案でも、双方向交流の環境整備に向けた予算を拡充しており、地方空港の活用や海外教育旅行の促進に重点的に取り組む姿勢を示した。
観光庁の田中賢二審議官海外旅行需要は堅調
日本旅行業協会(JATA)の酒井淳副会長は、インバウンドとアウトバウンドの構成比が「3:1」とアンバランスな状況にあることを最大の課題として指摘した。
一方で、4月以降の募集型企画旅行の予約状況については、「複数の旅行会社で前年比30〜40%増という報告を受けており、アウトバウンド需要の立ち上がりは堅調」との見解を述べた。酒井副会長は、今年はパスポート発行手数料の引き下げや、国際観光旅客税(出国税)の財源活用といった動きがあることに触れ、2026年の大きな成果に繋がることに期待を寄せた。
日本旅行業協会(JATA)の酒井副会長
全国旅行業協会(ANTA)の村山吉三郎副会長が乾杯の発声をおこなった
