モロッコ政府は、スペインおよびポルトガルと共同開催する2030年FIFAワールドカップ(W杯)に向けて、国内のホテル収容能力を現在の約20%に相当する6万床拡張する計画を明らかにした。
モロッコの観光産業は国内総生産(GDP)の約7%を占め、数十万人の雇用を支える基幹産業。同国は、2026年W杯でベスト8に進出したほか、2022年のカタール大会でベスト4進出を果たした。こうした国際的な注目を活かし、観光産業に持続的な利益をもたらすことを狙っている。ファティム・ザフラ・アモル観光相は、「2030年W杯は起爆剤であり、それ自体が最終目標ではない」と述べている。
政府は2030年の大会に向け、鉄道、道路、空港、スタジアムなどの都市インフラの建設および拡張に1900億ディルハム(約200億ドル/約32兆円)以上を投資している。なお、3カ国による共同開催における各国の試合数は現時点で未定だ。
公式データによると、モロッコは過去4年間ですでに4万5000床を追加しており、現在の総ベッド数は30万床を超えている。2025年は2000万人近い観光客を迎え、アフリカで最も訪問者数の多い目的地となった。2030年には2600万人の旅行者獲得を目指している。また、モロッコ中央銀行は、観光収入が2025年の1380億ディルハム(約145億ドル/約2兆4000億円)から、2027年には過去最高の1610億ディルハム(約173億ドル/約2兆8200億円)に達すると予測している。
これまで欧州からの航空路線の増加が同セクターを後押ししてきたが、アモル観光相によれば、「次の成長フェーズ」では航空ネットワークの改善を通じ、中国、米国、中東からのインバウンド客の増加に注力するという。
さらに、マラケシュやアガディールといった伝統的な観光地以外への分散化も進める。何世紀もの歴史を持つ記念碑や博物館、スポーツ施設を有する首都ラバトを、文化イベント、スポーツイベント、ビジネス旅行の新たなハブにする計画だ。同氏は「モロッコ観光に永続的な価値を創出する投資を行う必要がある」と強調している。
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