トリップアドバイザー日本代表が語る「次の一手」、コンテンツマーケティングからバケーションレンタルまで

トリップアドバイザー代表取締役の原田静織氏はメディア向けラウンドテーブルを開き、最新情報と今後の方向性を語った。45か国28言語で展開するトリップアドバイザーだが、カントリーマネージャーを置くのは中国、インド、そして日本の3か国のみ。2013年9月に日本代表に就任した原田氏はローカライズした事業展開を強化する方針を示していたが、その動きがより鮮明になってきている。



▼国や地方自治体との地域連携を積極化

コンテンツマーケティングも進化

原田氏は2015年を「DMO(デスティネーション・マーケティング・オーガニゼーション)の年」とし、国や地方自治体との連携に意欲的だ。

今夏には観光庁のVJ事業・官民連携事業で「Japanプロモーション」を開始したほか、先ごろは京都市と外国人向け旅行サイト「京都オフィシャルトラベルガイド」で連携。今後は人気コンテンツ「トリップグラフィックス」の活用などその幅を広げる予定で、他の自治体との連携も視野に入れている。

さらに、3億人超のデータを武器とするコンテンツマーケティングも強めていく方針。例えばトリップグラフィックスでは、ホテルや旅館などが印刷して利用できるオフラインでの展開も開始した。

このほか、10月末には日本の発案による「Ryokanプロジェクト」のグローバル展開がスタート。日本ページのメインタブを「ホテル」から「ホテル/旅館」に変更し、旅館をメインタブ内に移動させた。45か国28言語で表示されるため「旅館が理解されやすく、世界での注目が高まる」とアピール。旅館からも好評で、全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)と“Ryokanブランド”の認知向上を目指した連携も行なう予定だ。


▼ユーザビリティの向上で利用者増加へ

日本独自の取組み、パーソナライズ化も

もう一つ、「大きなテーマ」とするのが日本人の利用増加だ。そのため原田氏は「日本人にあったサイトにしていく」方針。その理由について、ポータルサイトのヤフーと、検索バーが前面に出ているグーグルを例に出し、「ここに東(アジア)と西(欧米)の違いがある。アジア人はポータルサイトの誘導がほしい」と違いを説明。検索バーが目立つトリップアドバイザーのサイトは、自分の意志で自由に検索したい欧米人の文化が強いとみるからだ。

そこで、トリップアドバイザーのヘビーユーザーに活用法を伝えてもらう「アンバサダープログラム」を開始。また、日本人の旅行形態を意識した独自ページ「温泉アドバイザーページ」や、購入履歴と検索履歴、投稿内容などからユーザーにあう宿泊施設を提案する「あなたにおすすめ」機能も開始し、ユーザビリティの向上をはかる。心理テストで最適な温泉をアドバイスする「温泉マッチング」も予定している。

このほか宿泊施設向けでは、旅行の計画者と会員、宿泊施設を結びつける「Q&A」機能を追加。OTAの料金を表示する比較検索機能上に、宿泊施設が最低料金を出せる「トリップコネクト」も、早期導入に向けた準備を進めている。

▼旅行のワンストップサイトとして1位目指す

バケーションレンタルは「適切に運営するための働きかけを強めたい」

原田氏は「日本では、旅行関連サイトの1位にはなっていない。OTAの方を参照する傾向が強い」との現状認識を示し、「まずは旅行のクチコミサイトとして公正公平な立場で運営していることを認識されること。そして情報に偏りなく、旅行をワンストップでサポートできるサイトとして拡大していきたい」と話す。グローバルとしては各国で1位になることを目指しているという。

そのため、今後は予約の提携先をレストランや観光施設など旅行先のアトラクションにも広げていく考え。トリップアドバイザーでは今年、フランスのレストラン予約サイト「lafourcette.com」を買収しており、飲食分野の展開は予定されていると見ていいという。

ただしアトラクションは「それぞれ管理者の基準が異なるため難しい」として未定。しかし、原田氏はそこがチャンスとも見る。「旅行は宿泊施設ではなくアトラクションから検討を始めるので、OTAと差別化するポイントになる」からだ。

また、「個人的な観点」と前置きしたうえで、今後注目する分野に「バケーションレンタル」をあげた。実はトリップアドバイザーでバケーションレンタルをローンチしていないのは日本のみ。日本の法令を鑑み、慎重に進める必要があるとの判断だが、「開始すれば2020年の東京オリンピック時のホテル不足の解消や新しい旅行スタイル提案のカギになるだろう」とその意義を強調する。

シェアリングエコノミー関連のビジネスがじわじわ進出する中、「議論して公に解決するように積極的に働きかけていきたい」との考えだ。「まずはバケーションレンタルの重要性が日本で理解されることが大切」と、確実に継続できる状況でスタートすることを重視する。決定すれば、“スイッチオン”くらいのスピードで簡単に始めることができるという。

なお、トリップアドバイザー(全世界、2014年11月現在)の月間利用者数は3億1500万人超で、10月発表時から1か月で3500万人増加。登録会員数は7000万人、口コミ情報数は1億9000万軒件以上で、年内に2億件に達する見込みだ。写真投稿数は2600万件以上、登録施設数は440万件以上(宿泊施設154万軒以上、レストラン240万軒以上、観光施設48万軒以上)で、アプリダウンロード数は1億5000万以上。傘下に24の旅行関連サイトを展開しており、そのうち2014年には次の4サイトを買収している。

  • tripbod.com 旅行者をローカルエキスパートと繋ぐサイト
  • vacationhomerentals.com バケーションレンタルのサイト
  • lafourcette.com ヨーロッパのレストラン予約サイト
  • viator.com 世界中のツアーやアクティビティの検索・予約サイト

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(トラベルボイス編集部)

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