日系企業の渡航需要が高まるメキシコ・グアナファト州、現地のビジネス投資と観光事情を取材した

町歩きが楽しいコロニアル都市グアナファト

日本企業のメキシコへの投資熱が近年急速な高まりを見せている。外務省によると、過去3年で250社を超える日本企業がメキシコに投資をしており、現地の日系企業は2013年10月には679社、2015年の現在では800社に及ぶ。その中心は自動車メーカーおよび自動車部品メーカーで、生産拠点として次々に進出。なかでもグアナファト州には多くのメーカーが集中する。ビジネス・法人の渡航需要が高い同州をビジネスと観光の側面から取材した。 (取材・記事:横井弘海/取材協力:アエロメヒコ航空)

メキシコ・グアナファト州を訪れる拠点となる空港は、レオンのバヒオ国際空港。アエロメヒコ航空を利用すれば成田/メキシコシティ線から夕刻の乗継で同日着が可能だ。こうしたアクセスの良さもあり、近年では日本からの現地視察のグループも増えているという。

グアナファトは銀の採掘で繁栄した町だ

2013年にマツダが工場を建設。完成車の運搬用に、北米大陸を縦断する鉄道への引き込み線を敷いた。2014年にはホンダも進出。トヨタも用地を検討中で、2015年の今年には新規投資をする予定だ。場所が決定すれば、部品メーカーも大挙して追随するだろう。こうした事情から、現地では日本語通訳が進出各企業から引く手あまた。現地では不足感が強く、日本語の観光ガイド同様に早めの手配しなければ確保できないこともあるという。

*編集部注:一部報道では、トヨタが20万台生産する新工場計画をすでに固めたことが報道されている。

投資ラッシュを背景に、いよいよグアナファト州の州都レオンに総領事館が開館することが決定した。平成27年の政府予算案に、グアナファト州をはじめとする中央高原6州を管轄するレオン総領事館の開設が盛り込まれ、閣議決定もされた。メキシコ中部は比較的治安がよいとも言われており、総領事館の開設は、現地に進出する企業の強力なサポートとなることだろう。



▼グアナファトって、どんな街? -「銀の道」の観光拠点

1週間の行程で、ティオティワカン遺跡も組み合わせられる

グアナファト州の観光拠点はグアナファト。16世紀半ばから300年続いた水銀の交易路をめぐる「銀の道」の拠点として知られる街は、1キロ四方のコンパクトな街だ。名所だけなら、それぞれ1日あればめぐることができる。

メキシコシティからの陸路なら、水道橋で有名な世界遺産ケレタロやメキシコ独立運動発祥の地ドローレス・イタルゴがあり、さらにはメキシコシティ近郊のティオティワカン遺跡などを組み合わせて、メキシコのバラエティに富んだ魅力を紹介する世界遺産周遊の旅ができる。

グアナファトの街を紹介しよう。街の中の道路が狭い。団体向けの大型バスが入ることができる場所、宿泊施設は限られるので注意したい。宿泊施設は30室以下のホテルがほとんどなので、大型団体などの手配ではいくつかのホテルに分宿する前提も必要だ。一方、宿泊代は高いものの小規模で高級感のあるブティックホテルが次々にオープンしており、小規模なツアーやビジネス旅行にはこうしたホテルを紹介するのも満足度を上げることになるかもしれない。


秋篠宮殿下ご夫妻が宿泊されたカミノレアル‐グアナファトのプレジデンシャル‐スイートルーム

日本人向けのツアーで多く利用されているホテルは、歴史地区に近い「カミノ レアル・グアナファト」。2014年10月には、メキシコ最大の芸術祭である国際セルバンテス祭に出席するため、秋篠宮ご夫妻が宿泊された。17世紀に建設されたマナーハウスを改装した歴史ある、だが、近代的な設備をもつ快適なホテルだ。

個人旅行向けでは、町の中心から車で5分、有名なピピラの像を見下ろす丘に建つ、元大統領の邸宅をホテルにした「ホテル ミッション・カサ・コロラダ」がおすすめ。ホテルランクは4つ星だが、グアナファト自慢の夜景を独り占めにできるような素晴らしいロケーションで、最高の雰囲気だ。部屋は現在6室のみで、すべて内装が異なる。週末は常に満室になってしまうため、2015年秋には24室とスパを増やす予定。個室(8~12人用、2室)で絶景を見下ろしながらの食事やバンケットホール(350人立食可能)のみの利用も可能。団体でホテルに行く時には、マイクロバスやタクシーに分乗する。


メキシコで人気のハラミのステーキ

現地滞在中の食はどうだろう。グアナファトには日本食レストランはないと考えたほうがよい。せっかくなら世界文化遺産に登録されたメキシコ料理をすすめたい。中央高原は肉や豆料理が美味しい。グアナファトの郷土料理と言えば「エンチラーダ・ミネラス」が有名だ。柔らかいトルティーヤのような「エンチラーダ」の上に、肉やポテトやチーズが乗った日本人の口にも合う料理で、もともとはグアナファトの鉱山で働く炭鉱夫たちが、美味しく簡単に食べられるボリュームたっぷりの料理として発展したという。


▼拠点となるレオン空港への日本からのアクセスは?

実は便利なアエロメヒコ航空のモンテレイ経由

レオンの国際空港に降り立つ日本人客はビジネス客が圧倒的に多い

日本/メキシコ間を唯一のノンストップ便で運航するアエロメヒコ航空。日本からのグアナファトの拠点となるレオン空港まで、往路はメキシコシティからの乗継ぎで同日着が可能だ。

一方、メキシコから日本への帰国便(復路)はメキシコシティ/成田線で一度モンテレイを経由することになる。グアナファトからの帰国の際は、この経由便がかえって便利に利用できることを記しておきたい。なぜなら、グアナファトの起点となるレオン空港からは、直接モンテレイにフライトできるからだ。つまり、メキシコシティを経由することなくレオン/モンテレイ/成田という経路で帰国する経路を取ることができる。

その他、中央高原地域からはグアダラハラ、アグアスカリエンテス、サンルイスポトシからもモンテレイに接続。こうした国内・国際ネットワークはメキシコの航空会社ならではのことだろう。モンテレイ空港はメキシコ国内でも最も新しい空港のひとつで、非常に機能的。乗り継ぎも分かりやすい。


アエロメヒコ航空の客室乗務員。メキシコらしい笑顔が印象的。

なお、アエロメヒコ航空・日本支社によると、このモンテレイ経由は近い将来なくなる見込みだという。メキシコシティ/成田線の往復でノンストップ運航を目指しているのだ。機材納入の計画などから勘案すると、2016年には動きが出てくるという。

  •  取材・記事:横井弘海
  • 取材協力:アエロメヒコ航空
  • 編集:トラベルボイス編集部


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