リクルート「じゃらん」、国内宿泊予約は11%増1.3兆円で過去最高に、今後は海外OTAとの提携強化や顧客サポート強化も

リクルートはこのほど、パートナー向けイベント「じゃらんフォーラム2025」を開催した。2025年度の方針として、観光地への「集客最大化」と観光関連事業者の「業務負荷軽減」を柱に掲げ、観光地の持続的な活性化に貢献していく姿勢を示した。 ※写真は都内会場の様子。

フォーラムでは、同社の旅行ディビジョン・バイスプレジデントの大野雅矢氏が登壇。2024年度の国内宿泊予約における総流通額が、前年度比11%増の約1兆3900億円に達し、過去最高を更新したことを報告。国内旅行需要の堅調な成長とともに「地域全体の消費額を拡大することが、じゃらんの重要なミッション」であることを強調した。

クーポン機能の拡大、上位会員向け施策、欧米OTAとの連携も視野

具体的な施策としては、地域の特性にあわせた需要喚起、コンテンツ造成のほか、販促施策としてクーポン配布支援を継続。これまで成果を出してきた「じゃらんのお得な10日間」などのセール企画を通じて、旅行者の予約行動を促していく。

クーポン機能も拡張する。従来は、宿泊施設が発行するクーポンと、じゃらんが提供するクーポンを同時に使うことができなかったが、2025年6月以降は同時利用を可能とした。ユーザーの利便性を高めることで、予約数のさらなる増加を狙う。

また、宿泊施設がセールプランやクーポンの設定・管理を効率的におこなえるようにする。これにより、宿泊施設の日々の業務負担を軽減し、より付加価値の高い業務に集中できる環境づくりをサポートする。

加えて、利用頻度が高い「ゴールド会員」向けには、アーリーチェックインや館内利用券などを含む専用特典付きの宿泊プラン導入の検討をはじめた。同社によると、ゴールド会員の予約数は一般会員の約9倍、予約単価も約1.7倍に達しており、上位顧客の満足度を高める施策として提供したい考えだ。

インバウンドでは、2024年の「じゃらん」経由の訪日旅行取扱額が、コロナ前の2019年比で約6倍に増加。さらなる成長をめざし、販促クーポンの展開に加え、アジア圏だけでなく欧米を含む海外OTAとの提携強化をおこなう考え。あわせて、トラブル対応を迅速化するためのカスタマーサポート体制の強化にも取り組む。

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