全国旅行業協会、観光関係トップら約170名が集まり、名誉会長・二階俊博氏の功績を称える「感謝の夕べ」開催

全国旅行業協会(ANTA)は、同会の会長職を33年間務めてきた二階俊博氏が退任し、名誉会長に就任したことをうけて、二階氏の功績を称える「感謝の集い」を開催した。当日は、政界、行政、宿泊・旅行業・交通事業者のトップら約170人が参加。これまで観光産業の発展に尽力した二階氏に、感謝の言葉を贈り、その歩みを振り返った。

挨拶に立った二階氏は、参加者に対して謝意を述べるとともに、政治家にとって「戦争がない、平和な日本をいかに維持して発展させていくのか、それをおこなうことが一番大きな仕事」としたうえで、「観光は、国際社会の平和な交流を続ける大きな使命だ」と力を込めた。そして、旅行関係者に対して「旅行を通じて国際社会が平和であるよう、皆で尽力してほしい」と呼びかけた。

ANTA名誉会長となった二階俊博氏

ANTA新会長に就任した近藤幸二氏(前副会長/全観トラベルネットワーク社長)は、二階氏が中国、韓国、ベトナム、トルコ、インドネシアなどとの双方向交流の発展に尽力し、成果をあげてきた実績などとともに、「強いリーダーシップとカリスマ性で観光産業の位置づけが向上した。観光産業が日本の成長のドライバーと位置付けられたことに感謝したい」と述べた。

観光庁の創設などに尽力、観光を国家戦略に

来賓として登壇した関係者からは、二階氏の観光産業における功績を称える言葉が続いた。観光産業の制度面を整備したリーダーシップや、観光庁の創設、観光立国推進基本法の立法に向けた活動をはじめ、観光を国家戦略に格上げした一連の取り組みについて感謝の意が述べられた。

また、国会や政府の要職を歴任する中で、インバウンド施策の予算を確保し、観光立国につなげた先見性も指摘された。観光産業を「平和産業」と繰り返し説き、大規模な国際交流団の派遣や日中交流をはじめとした国際的な架け橋を築いた実績も評価されている。

さらに、コロナ禍で観光産業が危機的状況にあった際には、観光産業の支援策として思い切った施策を打ち出した点も、今日の観光復活につながっていると謝意が示された。

海外への大規模交流団の派遣について「信頼をベースに海外交流を深めていく姿勢がとても印象的だった」と語った元経済産業大臣、国土強靭化研究所代表理事 林幹雄氏

二階氏が繰り返し述べてきた「観光産業は平和産業」を、複雑化する今こそ言葉の重みをかみしめるべきと述べた国交省事務次官 水嶋智氏

「今後もこれまで以上にエッジの効いた提案をしていただきたい」と話した東京都知事 小池百合子氏

観光は双方向で動く流れを作ることが重要で「観光はのこぎりのようなもの」という二階氏の言葉に感銘を受けたと話した日本旅行業協会会長 高橋広行氏

財団設立や運営が軌道に乗るまでの間、勇気づけられたと話す世界少年野球推進財団理事長 王貞治氏 

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