ハワイ州観光局、ハワイ文化の啓蒙を強化、観光戦略の一環で

ハワイ州観光局は伝統文化と観光産業の共存・発展を目指してハワイ文化の正しい理解を推進している。このほど、旅行業界・メディア向けにハワイ文化の正しい理解をするためのツールとして「ma'ema'e(マエマエ)」と名付けた情報提供を開始。今後、ウェブ上への掲載とともに情報を一括して収めたUSBを配布していく方針だ。このほど来日したハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)ハワイアン・カルチャー・ディレクター、ケリイ・ウィルソン氏がその背景を語った。

ウィルソン氏は、観光局として文化の理解を求める活動をすることについて、まずHTAの戦略を説明。HTAは、観光客の増加だけでなく自然資源、文化の継続維持をすることをミッションに含んでおり、それを資源として観光商品開発をしている。最終的なゴールは、州民の生活水準向上に貢献することだ。現地で観光客から徴収するホテル税(TAT)も、観光プロモーションだけでなく現地住民の生活・インフラ作りに使われている。同氏は「正しいハワイのブランドイメージをHTAが提供することで、観光産業の発展につなげる」と語る。

こうした考え方は、ハワイ州観光戦略計画(2005年から2015年)に基づくもの。ハワイの観光産業を成功させるために何を実現する必要があるかを旅行業界、政府機関、旅行者を迎える州民の各意見をもとに策定された。2016年以降も、この計画をベースに協議されているところだという。 観光戦略として定めた実現すべきハワイ観光業界のビジョンは以下の5つだ。

  1. ハワイ先住民と伝統文化を尊重する
  2. ハワイの自然資源と文化資源を尊重し保存する
  3. 利害関係者が尊重しあえる環境を作る
  4. 安定した経済を支える
  5. 訪問者がハワイならではの豊かな時間を満喫できるようにする

このビジョンのもと、ハワイの文化と地域社会を尊重、保護している。ウィルソン氏は「訪問者側のとらえるハワイのままでは、本来の先住民との関係が遠くなってしまう」と語り、その意義を強調した。

HTAとしては、ハワイ文化の継承を目的とした具体策として、現地イベントや関連団体、芸術家たちへのサポート、体験プログラムの開発行っている。なかでもイベントを重要視しており、フラダンスのイベント「メリー・モナーク・フェスティバル」、音楽とフラに焦点を当てた「メレメイ」、ハワイ文化を紹介する「アロハ・フェスティバル」などに積極的なサポートを行っている。

2012月12月にハワイ観光局がスタートしたアロハプログラムも文化伝承の戦略のひとつだという。プログラムの中身には、ハワイ独自の文化や歴史、自然などに関する知識・要素を十分に盛り込んでいる。北米では旅行業界のみ、日本では旅行業界とともに一般(ショップ、レストラン、消費者)まで広げている。このプログラムを通じて、これまで直接的な観光分野でなかったために日本市場にリーチできなかった現地文化団体なども、観光を通じて日本市場にアピールするチャンスを得るようになった。

HTAは、こうした各種プログラムを振興し、ハワイ州として観光産業の発展とともに地域住民の生活の質向上を目指している。こうした背景から、ウィルソン氏は、ハワイ文化の正しい理解をするためのツール「ma'ema'e(マエマエ)」の積極的な活用を呼びかけた。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)

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