星野リゾート、都市観光ホテルを新カテゴリとして確立へ、バリや東京など新規開業も続々

星野リゾートの新規開業が今年から来年にかけて続々と続く。海外では2016年夏に「星のやバリ」開業の見通しがようやくたった。国内では年内に「界」ブランドで鬼怒川、加賀、「星のや富士」の3軒、来年には「星のや東京」が7月開業を控えている。さらに、今後は中長期的な戦略として都市型観光ホテル(ビジネスホテル)を新しいカテゴリとして確立していく方針だ。

新たなカテゴリへの挑戦については、このほど開催されたプレス発表会で同社代表の星野佳路氏が明かした。星野氏は、国内には観光都市として有望な都市が約20都市ほどあると見込んでおり、同社の中長期的な取り組みとして“都市観光”というセグメントに積極的にアプローチする。

同社は、今年7月にANAクラウンプラザホテル4施設を約400億円弱で取得。4施設は、富山・金沢・広島・福岡の地方都市の施設で、これを「都市観光への取組みの第1弾」としていた。星野代表は、「中核主要都市に施設を持つのには時間がかかる」としながら、有望と考える都市として横浜や函館などを挙げ、着実にステップを踏んでいく考えだ。

この理由について、星野氏は外国人旅行者が拡大を続けているものの、国内観光市場では日本人のシェアが大きい点を指摘。日本人旅行者の維持をしていくことが成長のカギとみており、日本人が地方都市を訪れる“都市観光”で市場を確保したい考えだ。さらに、そのメインとなる市場は首都圏とみている。

同社の独自調査では、地方のビジネスホテル(=都市観光ホテル)を利用する宿泊者は出張などのビジネス目的よりも観光・レジャー目的の利用が圧倒的に高い結果がでている。こうした観光目的でビジネスホテルを利用する旅行者に対して、既存ビジネスホテル型の宿泊施設の形態を進化させていく。

星野氏は、以前は同社の1泊2食を基本とし、価格やゆったり過ごす空間を提供する旅館ビジネスを主とする同社の方針とビジネスホテル型の宿泊形態が市場にあわないとあきらめてたという。しかし、「しかしボリュームは大きい(星野氏)」として舵を切った。今後、都市観光ホテルをサービス、施設などを観光・レジャー旅行者の「ニーズにあったサービス施設に変えていく」としている。

なお、星野リゾートではリートを通じて2014年4月にビジネスホテル「チサンイン」21施設を取得するなど、これまでも積極的に展開をしてきている。

▼参考:星野代表インタビュー>>

トラベルボイス編集部:山岡薫


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