米マリオットのスターウッド買収、ホテル別売上ランキングでみる世界最大規模と統合メリット

2015年11月16日、マリオット・インターナショナルがスターウッドホテル&リゾートの買収を発表した。同日、両社首脳陣による合意がなされたもので、マリオットの支払額は122億ドルとなる予定。手続きは2016年中半を目標に進められ、買収が完了して両者が統合すれば、世界最大規模のホテルチェーングループとなる見通しだ。

両社の統合による規模は以下のとおり。対象となる国は世界100か国以上、ホテル数は5500軒以上(うちマリオットが4300軒、スターウッドが1270軒)、客室数は110万となる見通し。また、ロイヤリティプログラムの登録会員数は、現在、マリオット・リワード会員が約5400万名、スターウッド・プリファード・ゲスト(SPG)が約2100万名。ビジネスユースが多い両社のロイヤリティプログラム会員はリピート率が多く、今回の統合による大きなメリットに掲げられている。

マリオット・インターナショナル:報道資料より

今回の発表では、両社が一緒になるメリットは、サービスプログラムの範囲や内容、経営や運営の効率化、株主にとってのメリットなど多岐にわたることが示されている。

対利用者では、ラグジュアリー層を中心とした展開に強みを持ち、MICEやリゾート分野でも強固な存在を築いているマリオットと、利用者のライフスタイルに応じて提供されるサービスや国際展開方針などに独自の特徴を持つスターウッドが一緒になることで、サービスの範囲や選択肢が格段に広がるという。

同時に、運用効率化などにより年間2億ドルにわたるコスト削減が見込まれるほか、「資産のリサイクルプログラム」の一環として、今後2年間にスターウッドが持つホテル群の売却を進めることで、約15億~20億ドルを売却益が望まれるとする。そしてこれらのメリットは、株主への利益還元比率が強まることにつながる。

今回の発表にあたり、マリオット・インターナショナルの代表兼CEOアーン・ソレンソン氏は「両社が統合することは、"価値を生み出す" 機会のひとつである」とし、拡大するマーケットでの競争力を高めることに直結すると強調している。

なお、国際市場調査大手・ユーロモニターインターナショナルによる世界のホテルチェーンやホテルブランドの2014年売り上げデータ(Retail Value RSPベース)によると、企業別の1位はマリオット・インターナショナルの274.9億ドル、4位がスターウッド&リゾートの151.8億ドルとなった。今回の買収で、2社が統合すると、マリオットに肉薄していた2位のヒルトンワールドワイドを大きく引き離すことになる。

ホテル企業別の売り上げ上位10は以下のとおり。 データ提供:ユーロモニターインターナショナル
ブランド別では、「マリオット」が2位で88.8億ドル、スターウッドの「シェラトン」が6位で57億ドル、マリオットの「コートヤード」は10位で46億ドルにランクされる結果となっている。対してヒルトンワールドワイドは「ヒルトン」が1位で118.6億ドル、「Hampton Inn」が5位60.5億ドル。今回の買収によって、2社の統合すれば、ブランド別売上トップ10でもトップになる。

ブランド別のランキング上位10は以下のとおり。

データ提供:ユーロモニターインターナショナル

※図表は、ユーロモニターインターナショナル社の市場調査データベース「Passport Travel and Tourism」のデータに基づいてトラベルボイス編集部が編集・作成した。

(トラベルボイス編集部)

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