観光産業の冬ボーナス2015、インバウンド拡大で宿泊業が好調、旅行・航空業を上回る -サービス連合

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は、2015年秋闘の結果を発表した。秋闘のメインテーマは冬の一時金(ボーナス)で、今回要求書を提出したのは62組合(ホテル・レジャー業36組合、観光・航空貨物業26組合)。このうち、2015年12月16日までに合意または妥結した52組合の集計結果となる。※最下段に一覧を記載

これによると、冬のボーナス平均支給か月は平均で1.18か月となり、前年よりも0.08か月増加。特にホテル・レジャー業は、前年より0.19か月アップの1.26か月となり、インバウンドの急増による高稼働・単価上昇など好業績を受けた結果とする。一方、観光・航空貨物業は前年と同じ1.12か月にとどまり、支給月数でホテル・レジャー業を下回った。継続的な円安基調に加え、11月に発生した連続テロ事件などによる海外旅行の停滞感が影響したと見ている。

そのため、春闘で冬のボーナスも妥結した組合を含む平均(112組合)は1.40か月で、前年より0.09か月増加。ホテル・レジャー業は1.32か月で0.14か月増、観光・航空貨物業も1.47か月で0.06か月増加となった。

年間のボーナス(夏・冬合計)で見ると、全体平均(102組合)で2.91か月となり、3か月台に乗っていた前年を下回った。ホテル・レジャー業は2.50か月で0.09か月プラスとなったが、観光・航空貨物業は3.22か月で0.12か月マイナス。ただし、これについてサービス連合では好結果となった2014年夏の反動と説明。この数年の推移で見れば決して悪い結果ではないという。

今秋闘で要求書を提出した組合のうち、支給月数の高かったのは、観光・航空貨物業はジャルパック(2.7か月)、ホテル・レジャー業ではホテルオークラ東京、および鳥羽国際ホテル(いずれも2.0か月)だった。

なお、サービス連合が「35歳年収550万円」の実現に向けて月例賃金の改善(ベースアップ)に力を入れているなか、今秋闘においても実質的な賃金水準の引き上げに取り組み、合意した組合が1組あった。


【2015秋闘実施組合の冬ボーナス平均支給か月数】

  • 全体(52組合):1.18/1.10(2014年、以下同)/+0.08(前年比)
  • ホテル・レジャー業(25組合):1.26/1.07/+0.19
  • 観光・航空貨物業(27組合):1.12/1.12/0.00

【全体の冬のボーナス平均支給か月数】

  • 全体(112組合):1.40/1.31/+0.09
  • ホテル・レジャー業(50組合):1.32/1.18/+0.14
  • 観光・航空貨物業(62組合):1.47/1.41/+0.06

【2015年年間ボーナス(夏・冬)平均支給か月】

  • 全体(102組合):2.91/3.03/-0.12
  • ホテル・レジャー業(44組合):2.50/2.41/+0.09
  • 観光・航空貨物業(58組合):3.22/3.34/-0.12

※夏・冬で組合数が異なる

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