ハワイ島が日本人誘客に積極展開へ、羽田/コナ直行便が復活、空港新施設など受入れ整備を決定

ハワイ州観光局(HTJ)は、日本からハワイ島への需要掘り起こしを強化する。2016年12月21日からハワイアン航空(HA)が羽田/コナ(ハワイ島)直行便を運航開始したことに伴うもの。このほど来日したロス・バーチ・ハワイ島観光局長は、「(最大のターゲットは)まだハワイ島を訪れたことがない層。直行便により年間4万6000席の供給増が見込まれるが、このうち30%を、初めてのハワイ島訪問者としたい」と意欲を示した。
*写真:左からハワイ島観光局ロス・バーチ局長、HTJミツエ・ヴァーレイ氏

HTJ統計によると、2016年1~10月までの訪ハワイ島日本人客数は、前年同期比2.1%増の12万496人と、オアフ島(120万3087人)に次ぐ規模。1990年代後半には年間30万人以上が訪れていた時期もあるが、日本航空(JL)がコナ直行便から撤退したことなどが響いた。日本からの直行便復活は、関係者にとって悲願だった。

バーチ局長は、訪ハワイ島旅行者のリピーター比率は、旅客全体では65~75%超、日本人旅行者では62%と高いため、「一度来れば、必ずハワイ島を好きになってもらえる」と潜在的な需要の大きさに自信を示す。

またHTJのミツエ・ヴァーレイ氏は、便利になったアクセスを利用し、「まずはハワイ島へ来島してもらえるよう、最初のキックオフの部分を動かしたい」。座席稼働率85%の維持をひとつの目安とし、直行便を利用したハワイ島でのウェディングやMICEなど、新しい市場の拡大も狙う。こうしたなか、HTJではスタッフを2人増やし、人員体制を拡大する計画。

具体的なプロモーション計画では、まずコナ直行便の就航についての認知度アップと、同便を利用した旅行商品販売への援護射撃に力を入れる。

HTJでは、コナ直行便の就航に合わせ、オンラインでハワイ島の魅力を紹介した日本語の動画を、就航日の21日から配信中。デジタル・マーケティングでは、主に好奇心旺盛で旅行好きな女性客をターゲットに想定。一方、アクティブ・シニア層を対象に新聞広告も展開する。

同時に、HTJのアロハ・プログラムに参画し、「ハワイ・スペシャリスト」の上位資格者が一定以上いるなどの規定を満たした「サテライト・オフィス」に対する販促支援を強化する。現在、サテライト・オフィスになっている旅行会社の支店などは全国に計23店舗。アロハ・プログラムの全会員数は1万8500人、このうち旅行会社会員は8600人という。

ハワイ島の観光素材については、二大人気観光スポットであるキラウェア火山国立公園と、すばる天文台での星空観察を軸に、ここ数年で充実したショッピング施設や、プロからの評価も高いゴルフコース、ハワイ島でしか手に入らない特産品やお土産も、訴求したい考えだ。

htj2受け入れ側のハワイ島当局では、このほどコナ空港に新しい施設を建設するための追加予算が決定。2017年に着工、3~5年後の完成を見込んでいるという。日本からコナ直行便を運航する航空会社にとって、同空港における入国審査など、国際線の受け入れ態勢が十分ではないことが、諸コスト増などの要因となっていたが、こうした問題の解消にも期待が寄せられている。

バーチ局長によると、今回の羽田/コナ直行便就航に伴い、コナ空港ではパスポート読み取り機を10台設置し、日本語を話せるスタッフも増員。イミグレーション手続きにかかる所要時間は「むしろホノルルよりも早くなったかもしれない」(バーチ局長)としている。

取材・記事 谷山明子

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