今年も旅行業の経営フォーラム開催、「構造変化に強い経営」テーマに300名超が参加、原点からロボット・AIの第4次産業革命まで

日本旅行業協会(JATA)が主催する「JATA経営フォーラム2017」が2月28日に開催され、300名以上の旅行業者や関係団体の役員、管理職などが参加した。

同フォーラムは、業界が抱える諸課題について本音で議論できる場として、毎年開催しているもの。冒頭の挨拶ではJATA会長の田川博己氏が、2016年の海外旅行者数は4年ぶりの増加訪日旅行者数は初の2000万人突破など「観光産業への期待が高まっている」状況に触れた上で、「市場の拡大に対して旅行会社の取り扱いが伸びていないのも事実」と言及。「自らがマーケットを広げるための仕掛けをしなくてはならない」と述べ、「旅行会社の真価の発揮をテーマに掲げ、1年をかけて取り組む」と意欲を示した。

田川氏はその一環が、先ごろ立ち上げた「アウトバウンド推進協議会」であることを説明。旅行会社や政府観光局、オペレーターなど送客側と受入れ側のコミュニケーションを深め、「海外旅行の需要を喚起し、消費者に旅行会社を使ってもらえる仕掛けをしていきたい」と語った。

また、来賓挨拶では、観光庁・参事官の黒須卓氏が、登壇予定だった観光庁・長官の田村明比古氏の挨拶を代読した。田村氏のメッセージでは、旅行業界が国内・海外旅行市場の拡大や宿泊業界のビジネスモデル構築などを推進し、「旅行業界が観光産業発展のリーダー役を果たしてきた」ことに言及。

現在は、日本人の国内・海外旅行市場の低成長、インバウンドの急拡大、航空・宿泊の直販拡大、LCC成長、ネット取引の普及など「大きな変革の時期を迎えている」との認識を示した上で、「しかし、この中でも旅行業界が果たす役割は極めて大きい」と語り、旅行業界が持つ世界の観光産業の知見や観光地経営などのノウハウに期待を示した。

今年のフォーラムのポイント

JATA会長の田川博己氏

田川氏は今回のフォーラムについて、経営環境そのものが変わりつつある状況を踏まえ、「構造変化に強い旅行業経営に向けて」をテーマに、プログラムを構成したことを説明。基調講演では、第4次産業革命の柱であるAI(人工知能)やIoTへの対応を探るため、AIとロボットが変えるこれからの生活、産業の行方を語ってもらう目的で、最先端ロボット技術研究の第一人者である千葉工業大学未来ロボット技術センター所長の古田貴之氏を招聘した。

また、分科会では旅行会社の原点である、存在価値・役割を改めて考えるためのテーマを用意。「旅行会社の企画提案力」と「LCCと旅行業の関わり」、「DMOの観光地づくりと旅行会社の関わり・ビジネス」の3つの会を設定した。また、リスクマネジメントをテーマに「危機管理広報」のグループ討議も用意した。

締めくくりには、作家の岩崎夏海氏による特別講演「なぜドラッカーは『イノベーション』を重視したのか?」を実施。同氏の著作「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を踏まえ、田川氏は「日々、経営にあたっている我々には、意外とこういう視点が欠けているかもしれない」と述べ、「改めて旅行業経営を考える機会になれば」と意図を語った。

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