世界の海外旅行者数が7年連続の増加、2016年は3.9%増の12億3500 万人 ―国連世界観光機関(UNWTO)

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国連世界観光機関(UNWTO)がこのほど発表した「世界観光指標(World Tourism Barometer)」暫定値によると、2016年の海外旅行者数(国際観光客到着数)は前年比3.9%増の12億3500万人で7年連続のプラス成長。人数ベースでは同4600万人増となった。

これは、1泊以上の滞在を伴う海外旅行を対象とした数字。同データは各国の観光当局から集めた数字を集計。データ未入手の地域については、UNWTOの推定値を加えている。国別の詳細データは4月頃に発表する予定だ。

地域別ではアジア・アフリカの需要が好調

地域別でみると、2016年の成長を牽引したのはアジア・太平洋地区で、海外旅行者数は前年比8%増・3億300万人。地域内・域外から多くの旅行需要があった。

過去2年間は低迷していたアフリカも、同8%増・5800万人と旅行需要が回復。南北アメリカは同4%増・2億100万人とプラス成長を維持。ヨーロッパはデスティネーションごとに需要のバラツキが大きく、2桁成長からマイナス成長までが混在。地域全体では同2%増・6億2000万人となった。同様に、中東地域も場所によって差が大きく、地域全体では同4%減・5400万人のマイナスになった。

2017年は、国連が定める「International Year of Sustainable Tourism for Development(持続可能な国際観光年)」。タレブ・リファイUNWTO事務局長は「安全・保安面の問題が懸念される昨今だが、ツーリズムは非常に力強い動きとなった。海外旅行の拡大は、世界各地における雇用創出と地域社会の幸せにつながる」とコメント。同時に、「敬意と寛容が不足している時代に生きる我々は、これまで以上に緊密に連携し、観光産業の発展により、経済成長、誰もが認められる社会、文化と環境の保全、相互理解を促さなければいけない」としている。

2017年もプラス成長を予測

またUNWTOでは、今年の観光需要予測について専門委員会のメンバーを対象に調査を実施。その結果、回答者300人のうち63%が、2016年よりも「良くなる」または「はるかに良くなる」を選択した。この数字は、2016年に関する予測調査の時とほぼ同じであることから、今年の海外旅行者数も、同様の水準でのプラス成長を見込んでいる。

専門委員会の予測や現在の世界動向、経済見通しに基づき、UNWTOでは2017年の海外旅行者数は前年比3~4%増と予測。地域別では、ヨーロッパが同2~3%増、アジア・太平洋およびアフリカはそれぞれ同5~6%増、南北アメリカは4~5%増、中東は、同地域の不安定性を考慮し、予測値に幅があるが2~5%増と見込んでいる。

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