【続報】楽天、民泊参入の新会社は旅行業登録へ、トラベル事業とは別展開の事業概要を聞いてきた

楽天は2017年6月22日、民泊事業への参入を発表した。事業を担うのは、不動産事業や不動産・住宅情報サイトなど運営するLIFULL(ライフル)との共同事業会社の子会社として設立した「楽天 LIFULL STAY 株式会社」。このほど成立した住宅宿泊事業法(民泊新法)に沿って、民泊仲介プラットフォームを中心に展開する。サービス提供は、民泊新法の施行にあわせて行なうとし、その時期として予想される2018年1月にも間にあうように準備するという。

共同記者会見で、楽天の副社長執行役員の山田善久氏は、「日本最大の民泊プラットフォームを構築したい」との意気込みを示した。Eコマースやフィンテックなど70以上のサービスを提供する楽天経済圏の約9000万人の会員基盤と、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」で約800万件、不動産加盟店は2.2万以上を有するLIFULLの経営資源と不動産領域の知見を強みとし、シナジーを発揮していく。

提供するサービスは、民泊仲介プラットフォーム「Vacation Stay(バケーションステイ)」(仮称)。世界大手Airbnb(エアビーアンドビー)の日本国内物件数は約5万件といわれているが、バケーションステイでは将来的に、ライフルホームズの約800万件のうち5~10%(約40万~80万件)の掲載を目指す。

さらにライフル代表取締役社長の井上高志氏は「国内宿泊マーケットの93%は日本人旅行者の需要。楽天の9000万人の会員基盤は非常に強い」とも述べ、国内マーケットでの競争にも自信を見せた。

楽天トラベルとは別展開、第2種旅行業登録を予定

両社の役割は、楽天側が空室を借りたいユーザーやホストなどの個人に対するマーケティングを実施。LIFULL側は情報サイトの掲載物件や不動産店舗ネットワークを活かしつつ、さらなる民泊物件の開拓を推進する。施設の準備から運用まで、包括的なサポートも提供する予定だ。

例えば、現在使用していない空き家や空き部屋の改修・改築なども、LIFULL傘下の代理店で対応が可能。民泊を開始する初期投資を募るクラウドファンディングなども準備しているという。

流通に関しては、楽天グループとのシナジーも追及。「楽天のサービスの1つとして売り出すので、ID連携は当然」(楽天・山田氏)とし、ポイント加算も検討する。ただし、楽天トラベルとは別ドメインでの展開で、現時点で連携の決定事項はないとの言及に留めた。楽天LIFULL STAYとして、第2種旅行業を登録する予定。現在のところ、民泊物件のみの展開でパッケージ販売などの予定はないが、今後は現地への交通手段や観光体験などの取り扱いも検討するという。

このほか、インバウンドの獲得も重視しており、海外に対してはパートナーシップの開拓を進める。日本で集めた在庫をAPIで配信し、海外のプラットフォームからの送客を受ける方針だ。

課題解決する国内ナンバーワンの民泊プレイヤーに

楽天 LIFULL STAYの代表取締役社長には、楽天トラベル国際事業長の経験を有し、現在は楽天の新サービス開発カンパニー・シェアリングエコノミー事業部ジェネラルマネージャーの太田宗克氏が就任した。

太田氏は民泊事業について、日本の社会課題となっている空き家増加の問題を解決する事業であることも強調。多様化する宿泊ニーズへの対応と旅行需要の促進、海外で浸透している民泊の提供によるインバウンドの誘致など、地方活性化に資する事業であることもアピールした。

その上で、民泊市場でのリーディングポジションの確立を目指し、「合法で安心・安全な民泊環境を推進して、地方に集客できるコンテンツとする」と方針を語った。

写真:左から)楽天・副社長執行役員の山田氏、楽天 LIFULL STAY代表取締役社長の太田氏、ライフル代表取締役社長の井上氏

取材:山田紀子

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