豪州の大手旅行会社が日本に参入、「体験」重視の訪日旅行者狙い、京都に国内初拠点

サステナブル(持続可能)な現地体験を世界各地で展開する豪州ベースの旅行会社、イントレピッド・グループ(The Intrepid Group)が日本に進出する。PATA(太平洋アジア観光協会)の会員情報によると、イントレピッド・グループに参画するピークDMC社が、2017年8月25日に京都・下京区で「ピークDMC京都」を開設。同社にとって世界18か所目、日本国内では初の拠点となる。

訪日旅行市場においてアドベンチャー・トラベルや経験重視の旅行者が増えているなか、こうした客層の取り込みを強化することが狙い。訪日旅行は主要3都市への旅行者が増加する一方、京都市内での混雑悪化などの問題に直面しており、地方へ旅客誘致が課題になって久しい。観光の持続可能な発展を促すためにも、外客の分散が急務である一方、旅行者側でも、もっとローカルな日本を体験したいという要望が拡大しているようだ。

イントレピッド・グループはオーストラリアのメルボルンを拠点とするイントレピッド・トラベルを核に、アドベンチャー志向のツアー・ブランド催行会社や現地オペレーターが参画した集合体。現在は、旅行会社6ブランドと、デスティネーション・マネジメント会社のピークDMCが参画している。現地での生活に根差したローカル体験を求める少人数グループが主な顧客層。また持続可能な観光産業の在り方を追及する取り組みでも定評がある。

訪日インバウンド旅客向けには、「旭川の氷祭り」、「能登半島でのサイクリング」、「高野山での食事体験」などを提供する。イントレピッド・グループのジェームズ・ソーントン最高責任者(CEO)は「我々の手掛ける旅行スタイルは、年齢や予算に関係なく、従来よりもサステナブルで経験志向の滞在を求める世界中の人々から、大きな支持を受けている。日本は人口が大都市へと流出しているが、当社のツアーでは、地元の小さなコミュニティへ外国人客を案内する。そのため、自然や文化を次世代へと継承する一助にもなる」と話す。

ピークDMC京都事務所のジェネラルマネジャーには、ジョナサン・クリスプ氏が就任。日本文化の中枢であり、地理的な日本の真ん中であることから、京都を選んだとしている。

イントレピッド・トラベルでは、2016年の訪日旅行の取扱い人数は前年比69%増。なかでも家族客向けのアドベンチャー旅行は、倍増の勢いという。またグループ内で、富裕層向けのアドベンチャー旅行を手掛けるペレグリン・アドベンチャーズ(Peregrine Adventures)の日本ツアーの予約高は同38%増、ユース旅行のゲッコーズ・アドベンチャーズは同13%増と好調だ。

イントレピッド・グループ

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