新たな観光財源は「必要」で一致、観光庁の検討会で、使い道や徴収手法は議論続く

観光庁は2017年10月24日、有識者による「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」の第5回会合で、2回目の論点整理を行なった。

とりまとめの方向として掲げた「必要性」「手法」「使途」のうち、前回は訪日旅客4000万人、6000万人達成に向けて「財源の必要性はある」との認識で一致。今回は残りの「手法」「使途」を中心に議論が行なわれた。検討会後の記者向けブリーフィングによると、次回10月31日にとりまとめの議論を行なうためのコンセンサスは得られた。また、導入時期について複数の委員から「可能な限り早く財源を確保し、必要な施策をすべき」との意見があったという。

「手法」については前回の会合で、「出入国」が国際事例や関係事業者とのヒアリングから「他の2つ(航空旅行と宿泊)より適当」との意見が多勢。決定ではないものの、この方向で進んでいる。対象は内外無差別の原則から、訪日外国人のみならず日本人出国者も含めた検討をしており、「受益と負担の観点でしっかり説明する必要がある」との意見が出ていた。

さらに徴収方法については、手数料や負担金の場合、「より対価性が求められる」ため、「税の方が馴染むのでは。しかし、その場合でも受益と負担の説明が必要」という意見があったという。検討会として「税」と決定したわけではないが、記者向けブリーフィングで同検討会の事務局は「比較検討するなかでは、税方式というのが考えられる」ともコメントした。

「使途」については、観光庁の現行事業や2018年度予算要求で掲げる事業、さらに政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」の施策として他省庁の事業も範疇になるが、「新財源を入れるなら新施策も必要」や「既存事業の拡充も」などの意見も上がった。

その方向としては現在の訪日プロモーション事業に加え、「観光資源の整備や魅力の磨き上げ」、「先端テクノロジーの活用」なども上がった。ただし、「現段階で考え得る議論は、4000万人、6000万人達成時に求められるものと異なる」などの意見もあり、座長は「観光施策の場合、使途を絞り込むのは適当ではない」とも言及した。

このほか、受益と負担の観点では、特に日本人に対する裨益の説明としては、「航空ネットワークの充実」に加え、国土交通省航空局の「出入国円滑化」などが上がった。また、観光が政府の目指すGDP600兆円の柱となれば、中長期的には「広く日本人に裨益すると訴えられる」という意見も出たという。

しかし現段階で、新たな観光財源で必要とする予算規模や、その具体的な使途と理由などは示されていない。事務局は「必要になったら説明をする」と述べ、とりまとめの際には「ある程度示す必要がある」との認識を示した。

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