日本アドベンチャーツーリズム協議会が新設へ、富裕層に好まれるタビナカ体験を確立、JTBやDMOらが海外専門組織と連携で

JTB総合研究所は、阿寒アドベンチャーツーリズム、長野県観光機構と連携し、「日本アドベンチャーツーリズム協議会」を設立する。

アドベンチャーツーリズムとは、アクティビティ、自然、異文化体験の3つの要素のうち、2つ以上で構成される旅行のこと。欧米を中心に時間をかけて楽しむ旅行スタイルが浸透しており、富裕層が長期滞在をおこなったり用具や装備にこだわることも多いため、経済波及効果が見込まれる。北米・欧州・南米の主要地域では推計約4500億ドル(49兆円)の市場規模という。

発表の記者会見で、JTB 代表取締役社長の高橋広行氏は、アドベンチャーツーリズムがハードなスポーツ系の体験から、ソフトなハイキングやマウンテンバイクなど幅が広がっているトレンドを紹介。その体験を求めるのが「富裕層の割合が高い」と話し、「新たな地域活性の起爆剤になる」と期待を示した。訪日外国人の訪れる地域の分散を促し、付加価値の高い商品提供でインバウンド消費を高めていきたい考えだ。

今回立ち上げた協議会では、北海道や長野を中心にアドベンチャーツーリズムを推進する地域や事業者が理事に就任。また、世界最大のアドベンチャーツーリズム関連機関「ATTA(Adventure Travel Trade Association)」のCEOやアジア局長を特別アドバイザーに迎え、欧米市場の優良な旅行者を日本に誘致する取り組みを展開する。

ATTAのCEOシャノン・ストーウェル氏は、「日本は、(外国人旅行者に)まだ知られていない魅力があり、アドベンチャーツーリズムの提案で、その魅力を発見できる」と、日本のポテンシャルに期待。一方で、この観光が自然を対象にするものであることから、キャパシティのコントロールも必要になってくることに言及した。

具体的な事業内容としては、関係省庁や自治体に向けたセミナーの開催、海外市場に向けたプロモーション、関連ソリューションの提供、日本におけるアドベンチャーツーリズムデスティネーションとしての価値向上に関する戦略策定などを進める予定。また、ATTAからのアドバイスを得ながら、ツアーオペレーターとともに旅行商品化のあり方やガイドの規定を定めるなど、通常の観光とは違う要素の要件を整理していくという。

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